80号車 統一鉄道を北上せよ・2 【ファンティエット支線の旅】

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    昨夜購入していた切符は6:50発の「SPT2」列車。Saigon〜PhanThiet間の列車なので冠名が“SPT”なのだと推測される。切符を入れてくれた袋にはなぜか西武鉄道の車両の写真が。著作権とかあまり気にしないお国柄なのがよくわかって微笑ましい。
     

    朝早い列車といえども日本時間に直したら8時50分発。体内に時差を発生させなければ余裕なのである。6時に起きて駅に向かう。
     

     



    明るい時間のサイゴン駅と対面。おお、夜とは雰囲気が全然違う。意気揚々とホームに向かうと2階建車両がいるではないか。昨夜は古めかしい車両ばかりを見ていたのでこんな車両もあるのかと驚いた。
     





    ホームに向かうと5番線に夜行列車が到着したところで乗客たちが降りてきた。ので勿論見に行く。機関車がカッコイイ。
     

    ひとくさり到着列車の観察を終えてSPT2列車に向かうと、指定された車両が2階建車両だった。
     



    喜び勇んで乗り込む。なんと2階席。しかし固定式の座席で進行方向に背を向けた側があてがわれた。エアコン車なので窓は固定窓。窓の汚れがひどすぎて車窓の撮影は断念した。

    10時40分、本線とファンティエット支線の分岐となる Binh Thuan駅を定刻から30分ほど遅れて発車。本線から大きく右に分かれていく。

     



    ドラゴンフルーツを収穫するサボテン畑の中を進んで終点のファンティエット駅に到着。旅客列車は1日2往復のみのファンティエット駅。多くの人が降り立った。
     







     
    ニョクマム(魚醤)の一大産地のファンティエット。構内にはニョクマム輸送のタンク車が留置され、ほんのりと匂いを漂わせていた。列車は早々に機廻しを済ませ、折り返し13:10発のSPT1の準備をしていた。

    到着した駅は最近移設・新規開業したそうで、旧駅は更に先に進んだ場所にあったようだ。駅舎は新しいけれども街のはずれにあるために周りには何もない。列車の到着から20分もすると沢山下車した乗客もいなくなり駅は静かになった。

     

    折り返しの切符を購入し思案する。発車まで2時間ほどある。旧駅を確認しに行きたくもあるけれど、タクシーもバイタクもいなくなってしまった。暑いので歩いて行きたくはない。というよりも駅から見渡せる場所に街らしきは見えない。歩いたらドツボに嵌りそうな距離である事は間違いない。昼飯にしようにも駅の売店には菓子しかない。
     



    駅に来るためだけに作られたピカピカの駅前通りに出るとつながれた牛が草を食んでいる。そんなファンティエット駅前。その牛の道路向かいに一軒の飯屋があったので昼食を摂ることにした。

    少年が注文を取りに来たのだが、いかんせん言葉が通じない。指さし会話帳を用いて注文をする。そうして作れると言って出てきたのがこちら。

     

    味はあれだけれども、一所懸命に会話を成立させようと頑張ってくれた少年。以降は指さし会話帳で会話をする。Face Bookはやっていないのかと聞かれるも、やっていないのだと伝える。メールアドレスだけ交換して、もしも日本に来たら連絡してくれと伝える。帰り際に少年は自分のスマートフォンを用いて、翻訳サイトを通して「ありがとう」の文字を示してきた。初めて日本人と話したと言って興奮していたのだが、キラキラ輝く彼の目を見ていると、自分はここで何をしているのだろうかという複雑な気分になりながらも嬉しくもあった。ファンティエット駅に行く機会があったら、駅前の Ga Nuong という鶏肉料理の食堂を訪ねてみてほしい。
     

    折り返しのSPT1列車の座席はまたしても進行方向に背を向けた座席。天井から吊るされたテレビでは録画されたらしき番組が流され人々はそれを見ている。特徴的な風景が現れるでもなく、うたた寝を繰り返しているうちにサイゴンに近づいてきた。Bien Hoa駅でサイゴン発ハノイ行のTN4列車と交換。
     





    17:25。10分少々の遅れで夕陽の射しこむサイゴン駅に到着。
     



    駅そばの宿に荷を解いて夕食はバインセオのお店「46A」へ。少し甘い小麦粉の生地を薄くしき、モヤシやエビをのせてお好み焼きのように焼いたバインセオ。それを一口大に切って、からし菜に巻いてタレをつけて食べる。美味しくてたまらない。ホーチミンに行くなら是非食べてみて頂きたい逸品。
     



     
    ひとくさり街を散策して宿に戻る途中のこと。目の前を少年が運転するバイクベースの3輪トラックが物凄い勢いで走って行った。この先は駅手前の急カーブなのに、あんな速度で走っていたらと思った途端に衝突音。ヤッパリだ。道端で酒を飲んでた人々が飛んで行った。現場に行ってみると、対向してきたバイク2台を引っかけ、路上に止まっていたタクシーに突っ込んで停まっていた。
     

     

    大怪我をした人は無く、どの車両も大きな損傷はなかったのが幸い。暇なので一部始終を見物してみたが、現場検証をするでもなく間延びするような状況で、誰もが「起きてしまったことはしょうがないよね」という雰囲気。

    こうしてファンティエット支線の旅の1日は終わったのでした。

    さて、これを書くのに出してきた切符やらの当時の資料の中に、車内で配布された紙オシボリを使わずに持って帰ってきたものがあったので開けてみたところ、水分は飛んでいるだろうことは予想していたのですが、黒カビまみれの紙が出てきました。袋に穴が開いていたのか、はたまた…。

     

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      • 2017.05.17 Wednesday
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      • 23:59
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      コメント
      妻の実家がファンティエットなので、年に1度帰省で行きます。
      なので、写真を見ると「あっ、近所だ」と嬉しくなります(笑
      その食堂から直線で200m程奥に入ると妻の実家ですが、ファンティエットはいいところですよ。
      ムイネーに行く途中、海沿いには美味しい海鮮レストランも多いです。
      サイゴン駅近くのホテルも、便利で値段の割には綺麗でいいですね。
      • Power-Factory
      • 2015/09/17 10:49 PM
      Power-Factory さん、コメントありがとうございます。なにしろ鉄道に乗りに行くことが目的という無為な旅をしているもので、せっかく行った町もこうして観光もせずに過ぎてしまうのです。
      それよりもベトナムに奥様の実家があるなんて羨ましいです。この旅でベトナムに魅かれてしまい、再び訪れた時の話も書いていきますので、よろしければお読みくださいね。
      • ヒコシロウ
      • 2015/09/21 11:28 PM
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      齋藤彦四郎
      隔週木曜更新。
      電車で喰えているので、電車マニアではありますん。

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