58号車 ミャンマー顛末記・3 【いざヤンゴン】

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    ドンムアン空港。初めて訪れた時は10年ほど前。インドのムンバイに向かう経由便で降機できず、2時間ほど機内で待機させられた憶えがある。実質的に初めて利用したのは2月にチェンマイに向かう道中での事。前回から10ケ月ぶりの利用になるのだが、前回はスワンナプーム空港からタクシーで移動した為、列車を利用してのドンムアン空港入りは初めてである。
     


    駅ホームの北側にある跨線橋を昇ると東側が空港へと繋がっている。高速道路の下かつ一般道の上という、騒音まみれで薄暗い橋を進むと空港のビルの中に入る。ビルの中には入ったものの自分のいる場所がよく分からない状況になるのだが、目の前に現れたエレベーターに乗ったら出発フロアに着いた。

    航空会社のカウンターは国内線と国際線が混在しており分かりづらいが、この混沌とした雰囲気こそがタイの醍醐味なのだと楽しみつつチェックインを済ませる。後学のためにと空港内をうろついてクーポン食堂を探すも、終ぞ発見できなかった。空港内で現地価格で飯を喰わんとする際にはどうすればよいのか。何処かにあるはずなので次回の探検課題である。

     


    出国手続きを済ませて出発ロビーに向かう。案の定フライト時刻は変更となった。エアアジアが時刻通りに飛ぶとは思っていないので態勢に影響はない。
    空港内ではフリーWi-Fiが飛んでおり、メールアドレスとパスポート番号を登録すると2時間まで使えるので早速アクセスして暇をつぶす事にした。
    今回の旅行先はミャンマー。スマートフォンが普及しているものの基本的にWi-Fiにアクセスしての利用だとの事前情報を得ていた。SIMカードは政府が管理しているとの情報もあり、SIMロック無しのデバイスを持っていてもSIMカードが手に入らないのであれば致し方なしだ。なのでここでwebアクセスが必要な事を済ませておく。

     


    40分遅れでフライト。初めてのミャンマー。機内は空いており顔ぶれを見ると観光客しか乗っていないようだ。ヤンゴン国際空港には10分遅れで到着。入国カウンターの手前のホールの看板に見慣れたロゴがあった。
     


    何故ここにパチンコ屋の看板が?よく見るとフィナンシャルの文字。後で調べてみると、アジア圏で銀行業を展開していることがわかった。日本でパチンコで儲けた金子を元手にアジア圏で金貸しとは小気味よい。パチンコなどのギャンブルに一切興味がなく、むしろ否定的な自分ではあるが、こうして金が循環する様を見ると気持ちがいい。現状ではミニマムな事業なのかもしれないが、アジア圏の経済発展・地場産業の発展のためにも頑張って頂きたいと思う。

    SEA GAMES(東南アジア競技大会)の開催直前であったため、イミグレーションの前には大会参加者用の受付カウンターが設置されていた。この大会の影響で各ホテルが混雑するとの情報を得ていたので、初日の宿はネットで予約をしておいた。

     


    空港内で両替。ミャンマー国内で留意すべきことは、外国人旅行者の飛行機・鉄道・ホテル利用はドル払いしか受け付けてもらえないという事だ。しかも新札しか受け取ってもらえない。なので日本出国の際に新札でドルを揃えておいのだが、道中は苦労をした。もしもミャンマーに行って電車バカを敢行する予定のある方は、とにかく新札の1ドル札を多めに持って行く事をお勧めしたい。市中ではミャンマー通貨のチャットが必要になるので両替をしたのだが、空港内の両替も日本円は受付けてもらえずドルからの両替。100ドルを両替したところ97800チャットになった。

    空港を出るとズラリとタクシーが並んでいる。その全てが日本車でトヨタ車。車種で言うとサクシードとプロボックス。街に出て驚くのだがミャンマーは中古の日本車だらけなのだ。そのほとんどがトヨタの商用車。前記の2車種(厳密には販売網の違いによる車名の違いで同じ形の車なのだが)と、その前モデルのカローラバンばかり。中古の商用バンのほとんどがミャンマーに来ているのではないかというほどだ。不思議なのは日産のサニーバンやADバンをほとんど見かけない事だ。トヨタブランドがステータスシンボルになっているのか、輸入をしている商社がトヨタとの関連があるのかもしれない。

    右側通行のミャンマー。しかし街に溢れているのは右ハンドルの日本の中古車ばかり。路線バスも横浜市営、神奈中、相鉄などの中古バスがカラーリングもそのままで、車体の右腹に乗降用のドアを新設して走っている。この状況がどういうことかといえば、日本で左ハンドル車ばかりが走っているのと同じ状況で、当然ながら事故が多い。いっその事、左側通行に切り替えた方が早いのじゃないかと思うのだけれど、多発する事故の対策としてミャンマー政府は右ハンドル車の輸入を禁止するとの情報もある。となればこれからは左ハンドルの中古車の独壇場となるのだろう。しかし、立ち止まって考えてみると、韓国から中古車を持ってくればそのまま使えるのに、韓国車はほとんど見かけない。貿易協定などに原因があるのかもしれないが、日本ブランドの根強い人気によるものかもしれない。そうなるとアジア圏で左ハンドルの日本車が沢山存在するのは台湾。帰国後に知り合いの台湾の人たちに、台湾で中古車を扱う人がいたらミャンマーで商売になるかもしれないよと囁いておいた。

    空港からタクシー。ヤンゴン駅まで8000チャット。宿へ向かいたいところだが、明日の列車の状況を確認しておきたいのでヤンゴン駅に向かってもらう。地図で確認し、駅に近い宿を取ってあるので問題ない。

    トヨタの商用バン・プロボックスのタクシーに乗って、日本人を珍しがる運転手と会話をしているうちに駅舎だけが立派でガランとしたヤンゴン駅に到着。この時間帯からは数本の夜行列車の発車しかないので、首都の中心駅とはいえ人は疎ら。唯一英語表記の時刻表を掲げた窓口があったので、明日のマンダレー行の乗車券が欲しいと伝えると、明日の朝に隣の窓口に来なさいとの由。1等車と寝台が3日前から、2等車以下は当日という予約システムと聞いている。1等車のチケットが欲しかったので前日に手配できると思っていたのだけれども売ってくれなかった。このへんのアバウトさは南国なので致し方ないと引き下がる。

    明日のマンダレー行の列車は存在するらしいことが分かった。昼行列車は6時の発車。その前までに駅に来れば良いのだな。さて宿に向かおうと地図を確認すると、何かが違う。事前に地図を見て駅舎は南側にあると思い込んでいたのだが、実物は北側にあった。日の暮れた道をタクシーで来たものだから脳内の磁場が惑わされてしまったと思っていたが、自分の居る位置は線路の北側だと察知して地図を見直すと合点がいった。駅舎に近いと思っていた宿は、駅舎を回り込んで陸橋を超えて行かねばならない。

    さて、カートザックを引いて宿まで歩かねばならない。何よりも街が暗すぎる。電力事情の芳しくないミャンマーは必要最低限の街灯しかないようだ。足元が覚束ないのでザックにして背負っていかないとカートが犬のウンコ踏む率が高くなるのだが、こちとら既にヘトヘトなので目を見開いて注意していく事にする。

     


     

    陸橋で線路を超えて駅の南側へ。大通りは街灯が比較的多くて足元が見やすいのだが、舗装がいい加減なので歩きづらい事には変わりがない。そんな歩道を一所懸命に歩くのだけれど、暗い中で人が多いので更に歩きづらい。這う這うの体で宿に到着。
     


     

    陽気な少年のボーイさんが出迎えてくれた「ビューティーランドホテル供廖A襪覆靴良屋で朝食付きで1泊約4500円。安くはない。タイや台湾、韓国あたりなら3000円以下で泊まれるレベルだ。これはミャンマーのホテル事情に由来する。ミャンマー国内では外国人が宿泊できるホテルが決められており、認可を受けたホテル以外には泊まる事が出来ない。そしてそれらのホテルは前述のとおりドル建ての支払いしか受け付けてくれない。政府の外貨準備のための施策なのだろうけど、こうして所謂ところの安宿にカテゴライズされるクラスの宿も総じて「高い」と感じる宿泊料金になってしまっているのだろう。
     

    宿に着き、無事の到着を実家に知らせようにも iPhone が電波を掴まない。どうしてだろうと試行錯誤して気付いた。ここは3Gではなく未だ2Gのエリアなのだ。グローバルCDMAをOFFにすると無事に電波をキャッチした。荷を解き夕食へと街に出る。繰り返して言うが街が暗い。人通りは多いのだけれど街灯が少なく、商店の明かりを頼りに歩道を進む。ヤンゴンの街中は櫛の歯状に区画整理がなされているので迷う心配はない。適当にぶらつくも目ぼしい食堂もなく、何よりもどういった食べ物があるのかが解らない。目が合った屋台の兄ちゃんに声をかけられたので、その店の低い椅子に座る。いわゆるところの風呂椅子だ。
     

     

    どうやら「カウソエ」という麺料理らしい。少し粉っぽさの残る麺と具材を和えたもの。これがすこぶる旨い。たぶんオッサンが丼の中を素手で掻き回して麺を和えているのが味の決め手なのだろう。しかし旨いのだから仕方ない。すっかり気に入ってしまい、ヤンゴン滞在中の夕食は全てこの店で食べたほどだ。1杯500チャット。日本円で50円で食べられるカウソエ。気になった人は、アノーヤター通りの街角で「素手で麺を掻き回す店」をヒントに探して食して頂きたい。因みに私はミャンマー滞在中に腹を壊すことはなかったという事と、意外に悪食である事を付け加えておきたい。

    明日は早めに駅へ行き切符を手に入れなければならない。街も暗すぎて歩きづらいので夜は早々に宿に戻り、寝る事にしたのでした。

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      • 2017.05.17 Wednesday
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      • 00:58
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      とても魅力的な記事でした。
      また遊びに来ます!!
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      電車で喰えているので、電車マニアではありますん。

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