11号車 台湾1周鉄路の旅・2 【桃園・基隆】

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    【桃園站】
     
    林口線の専用ホームから台湾鉄路の桃園(タオユァン)駅へ。駅前は日本の地方都市のような佇まい。ただし圧倒的にこちらの方が活気がみなぎっている感じがします。
     



     
    早速今回の課題、台湾鉄路の周遊券「TR−PASS」を手に入れるべく駅の窓口へ。
    このTR−PASSは、新幹線や台北・高雄のMRTを除いた、日本で言うところの国鉄在来線の優等列車を含めた全ての列車が乗り放題の切符で、3日用と5日間用の2種類が発行されています。

    台鉄の優等列車は全て座席指定となっています。空いている席に座る「自願無座」という形で自由席券も発売されており、指定席券を持つ人が来たら席を空けるというシステムになっています。また、日本のような乗車券+料金券という形態ではなく、列車種別ごとの区間運賃が規定されているので、何本もの列車を乗り継ぐとなると計算が煩雑です。今回は台湾1周が目的ですから、煩雑さを回避するためにTR−PASSを選択しました。

     

     
    窓口にてTR−PASSの発行を申し込みました。比較的大きめの駅でないと発行できないとか、田舎の駅では切符の存在自体が知られていないという情報もあったので戦々恐々です。
    早速、窓口の駅員氏の表情が曇りました。面倒な切符が来たなといった感じです。
    自身も経験がありますが、企画切符や特殊な切符というものは種類ばかりが多くて、発行の機会が少ないので、いざ窓口にて申し込まれると困るものなのです。教育は受けていても前記のような理由なので、旅客の方が切符の内容・効力について詳しかったりします。
    駅員氏は台紙を取り出してきて、台紙にID番号を記入せよと差し出してきました。パスポートの番号かと尋ねると、そうだとの由。ID番号を記入した台紙と切符が発行されて、599元との事。

    事前に調べていた情報では、TR−PASSの5日間用は2,500元。あまりにも安すぎます。
    とりあえず一旦切符を受け取った後に、駅前広場の隅で一服つけながら切符を眺め、値段の誤差の謎を解くために頭の中身を整理しました。

     

     
    券面をよくよく見ると、「外国学生」との表記があり、「TR−PASS−Y」と書かれています。今年3度目の年男を迎える自分に、学生用の切符を発行してくれていたのでした。無論ID番号はパスポートの番号なので、持ってもいない学生証の提示を求められたらアウトです。
    すぐさま窓口に引き返し、自分は学生ではない旨を伝えると、窓口内で駅員さん達がなにやら相談を始めて、やっと本来のTR−PASSが出てきました。やはり扱いの少ない切符は存在を忘れられてしまっていたようです。
    尚、TR−PASSの台紙の最終ページには日本語での説明が記載されています。若干の誤記があるのは御愛嬌。とにかく手に入れて説明書きを読めば何とか使えるでしょう。
    優等列車の指定席を利用する場合は、窓口にてTR−PASSを提示すると指定席券が発行されて、台紙に日付印が捺されます。指定席券を取らずに乗り込んだ場合は「自願無座」扱いとなりますが、「太魯閣(タロコ)号」だけは自願無座の扱いが無いので、必ず指定席券の取得が必要となります。

    尚、使用して解ったのですが、指定席券の発行は1日1度限りとなります。その日に最初の優等列車の指定席券を発行してもらう際に、併せてその日に予定している全ての優等列車の指定席券を発行してもらう必要があります。台紙に指定席券発行の証となる日付印を捺されてしまうと、同日中の指定席券の再度の発行は受けられませんでした。

     

     
    何とかTR−PASSを手にしたものの、発行に時間を要してしまい19:07発の基隆行には乗れず、19:24発の基隆行にて、桃園駅をあとにしました。
     
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    【基隆】

    桃園(タオユァン)駅から乗り込んだ区間3038列車は、4分ほどの遅れ。各駅には電光掲示版が設置されていて、遅れ時分が出るので運行状況の把握に便利です。
    車内は夕刻のラッシュで混みあっていましたが、板橋(バンチァオ)、台北で殆どの乗客が降りてしまい着座することができました。乗り込んだ車両はEMU700形、セミクロスシートの電車でドラえもんが人気のある台湾では「スネオ電車」との愛称で呼ばれている日本製の電車です。夕刻のラッシュタイムのダイヤ設定でスジが寝ているのでしょう、ゆっくりとした運転ながら台北で遅れは定時に戻りました。
    松山(ソンシャン)を過ぎると車内は全員着席の状態になり、隣に座る若い女性は持ち込んでいた麺を啜りはじめました。この方は自分が乗り込んだ時には既にいらっしゃいましたから、麺が伸びているのではないかと心配です。
    そしていよいよ基隆(キールン)に到着。20:55、定刻です。スネオ電車を撮ってから宿に向かいます。
     

    基隆駅は、ロータリーを挟んですぐに港になっていました。駅前の歩道橋を渡って降りた先はウッドデッキになっていて、何か催し物が行われていたようで人通りがあり、夕涼みに夜景を見に来ているのであろう人たちが多くいました。客船も停泊していて国際港の風情が感じられます。ただ、港内の一角では浚渫工事をしており、ヘドロの放つ腐臭が漂っていたのが残念でしたが、その腐臭がなぜか「今、アジアにいるのだ」と実感させてもくれました。
     

    宿はガイドブックで目星をつけておいた藍美大旅社に向かいました。上の写真の客船の後ろの建物の裏側あたりの安宿です。カートを引きずりながらウッドデッキを歩いて橋を渡り宿の方角へ。宿は無事に取れ、1泊870元。ガイドブックには「基隆いちの経済的ホテル」と書かれていますが、休憩利用の料金体系が表示されているので言わずもがな。以降、台湾の安宿は連れ込み宿としても機能している事がこの先泊まる宿々で解ってきます。
    冷蔵庫が無かったのが残念でした。
     
       
     
    室内は廊下に設置された大型の冷房機からの冷気がドア上の通風孔からガンガン入ってきます。あまりにも冷えるので、蓋を閉めて冷気を遮断したのですが、フロア全体が冷えていて、ドアの下から冷気が入ってきてしまいます。扇風機もありましたが落下事故に遭遇した形跡があり、モーターカバーが外れていました。
    浴室がガラス貼りで覗ける構造は、ホテルの特殊性故に致し方ありません。浴室内はバスタブ以外はワインレッドで統一されており、無論トイレの水圧が弱いので湯桶で水を汲んで流すのがベターです。ちなみに湯桶は日本で言うところの子供用で、桶の底には色使いの間違った任天堂の有名キャラクターがプリントされており、経年劣化でブヨブヨになっていました。安宿・中級宿のツボを押さえていて満足です。

    時間も時間ですから荷を解いて早々に夜市に腹ごしらえに向かいます。
    夜市は先ほどの港の写真の右手方向の奥にあり、駅から5分ほどで到達できる場所にありました。道の両側のアーケードが常設屋台の看板になっており、日本語でも表記されているので何の店か解るので気軽に歩けました。屋台街の路上にはゴミ箱が幾つも設置されており、気軽に食べ歩きが出来る配慮がなされていました。

     



     
    小ぶりの牡蠣の水煮を炊飯ジャーの中で保温している屋台を見つけました。調理を見ていると、鉄板で牡蠣を炒めて、野菜と卵を乗せて、溶いた粉ものでまとめ上げていたので、牡蠣のお好み焼きのような物だと思ったので早速注文しました。先週新潟で生の岩牡蠣を沢山食べたばかりなのに、牡蠣を見ると飛びついてしまいます。




     
    喜び勇んで食べてみると、粉物だと思っていたものが水溶きの片栗粉でした。お好み焼きのつもりで食べたのに、硬い葛湯を食べているようなもので、味も足りなくて残念。お値段60元。蚵仔煎は次は無いなと思いました。
     

     
    サンドウィッチを三明治と書く事が判明。基隆の名物らしく人が行列が出来ています。その栄養三明治がどんなものかと買ってみると、揚げパンにきゅうりとトマトと煮卵と中華ソーセージを挟んで甘めのフレンチドレッシングをかけた脂っこいもので55元。これはこれで微妙な味で、嫌いではありませんでしたが、脂に勝てる腹具合のときにお会いしたかった味でした。
     

     
    この後、宿には早々に引き上げたのですが、部屋に戻るなりエアコンの冷気で体が冷えてしまい、バスタブに湯をはって、読書をしながらゆっくりと温まり、翌日からの台湾1周に備えてすぐに床に就いたのでした。

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      • 2017.08.10 Thursday
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      拝啓TRPASSにて5月に大阪老鉄7名が一周します。優等列車の査証条件が分からず煩悶していましたが貴BLGにてよく分かりました感謝です。老鉄といっても(私+1)であとは引く連れの友です前部で496歳、独英ス馬ではPassで回っています。今後とも宜しく。APR19,13
      • zaimokuya
      • 2013/04/19 10:58 PM
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      齋藤彦四郎
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