139号車 タイ東北線攻略の旅・14終 【 帰るのです 】

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    さて帰ることにする。フライトは11時15分。2時間前の9時15分までにはチェックインをしなければならない。

    空港へ向かうエアポートレールリンクはパヤータイ駅発。となると朝のラッシュアワーに地下鉄とスカイトレインを乗り継いでいく事になる。なので8時発の東線、カビンブリ行でパヤータイに行くことにする。

     

    フロントでチェックアウトをして出ようとしたところで、T君がホテルに入ってきた。今回の旅の序盤で一緒になったT君だ。彼はビエンチャンからルアンパバーンに向かい、チェンマイからの夜行列車でバンコクに戻ってきたところだった。寝台が取れずに座席車で来たとの事。駅前のこのホテルが便利だと自分が話したのを覚えていたようだ。偶然というのはあるものだ。なのでどこで誰に見られているかもわからないので海外といえども気を抜いてはならない。

     

    列車の時間が迫っているので簡単に挨拶を済ませて別れて駅へ。

     

     

     

    列車は5分遅れで発車。もちろん遅れの理由の説明などない。発車したもののノロノロ運転。構内にある操車場を抜ける頃にはパヤータイ駅到着予定時刻に達していた。3.7キロ、11分ほどで到着するはずの駅はとても遠いのだ。

     

     

     

     

     

    ヨムマラートの東線への分岐点でしばらく停車。上り列車の交換待ち。線路が空いたところで東線へと右に逸れていく。北本線には上り列車がこの列車の横断待ち。こうしたジャンクションの混雑と、警手が手動で扱っている踏切の遮断待ちで朝のバンコク周辺の国鉄線は定時では走れていないのだ。

     

    それでも定刻から12分ほどの遅れでパヤータイ駅に到着。上出来だ。このルートでエアポートレールリンクに乗り換える際にはファランポーン駅で前寄りの車両に乗っておくと便利だ。ちなみに運賃は2バーツ。驚愕の安さだ。

     

    フライトは定刻通り。降機後はバスと新幹線で街中に出る。

     

     

     

     

    もちろん今回も台北トランジット。いつものボロ宿に荷を解いて夜市へ。今回は師大夜市。女優の北乃きいさんが台湾が大好きで、この夜市のことを歌にしてしまったほどだとテレビで見ていたので、ならばと訪れてみたかったのだ。師範大学もよりの夜市で規模も大きくなくローカルな雰囲気。大汗をかきながら麺線を食べたりして楽しんだのでした。

     

     

    帰国便は日本では政府専用機だけとなってしまったジャンボ機、B747。こうしてみるとカッコイイ。

    こうしてタイ東北線攻略の旅は終了したのでした。頑張れば東線も攻略できたのだけれど、それはまたいつかのお楽しみにとっておくことに。

     

    スワンナプーム〜パヤータイ            28.6×2

    ファランポーン〜ターナレーン          657.6

    ターナレーン〜ナコンラーチャーシマー      363.6

    ナコンラーチャーシマー〜ウボンラーチャタニー  311.4

    ウボンラーチャータニー〜ファランポーン     575.1

    ファランポーン〜チャチューンサオ         60.9×2

    ファランポーン〜パヤータイ             3.6

    桃園〜台北                    36.4×2

    合 計                    2163.1キロ

     

    次回からは忘れないうちに韓国の補完旅を書き綴ります。

     

     

     


    138号車 タイ東北線攻略の旅・13 【 ピンクのアレを見に 】

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      乗り合いバスを見つけることができない。

      暑さに負けたのでトゥクトゥクで向かうことにする。行先はワット・サマン。

      トゥクトゥクが走り出してから後悔をした。これじゃあ暑いじゃないか。

       

       

       

       

      暑い風が体表を撫でつけ汗がとめどなく溢れてくる。トゥクトゥクは幹線道路を外れてどんどん寂しい道に入っていく。暑さで朦朧とする中、自分はどこかに連れ去られているのではないかと不安になってくる。向かう先はタイでも人気の観光スポットの寺院なのだ。果たしてそれがこんなに何もないようなところにあるのだろうか。

       

      そんな不安を吹き飛ばすように一大観光地が目の前に現れた。

       

       

      土産屋街の前で降ろされる。トゥクトゥクのドライバーは帰りも乗るならここで待っているとの事。1時間後に戻ると約束して散策を開始。まっすぐ目的のピンクのアレを見に行く。

       

       

       

       

      タイ・マレーシア・ミャンマーで涅槃像は幾つか見てきたけれど、このピンクのガネーシャが一番インパクトがあった。周りに写り込んでいる人々からサイズ感をつかんでもらえばと思うが、こんなに大きくてむっちりしたピンクの像が太陽の光にさらられてテカテカに光っているって、相当な光景だ。

       

      タイは仏教徒。寺院も仏教寺院なのだけれど、ヒンズー教の神であるガネーシャが何故か入り込んでいる。このガネーシャ、実は日本でも数多に存在していて、姿を変えて大黒天様となっているようだ。信仰というものはこうしてその場に馴染んでいくものなのだろう。

       

      涅槃像の周りに立ち並ぶ、自分の生まれ曜日のネズミの像にお参りするシステム。タイに幾つもある「タイで一番ご利益がある」とされるパワースポットの一つとなっている。

       

       

       

       

      寺院内には他にも巨像が立ち並び、食べ物屋や土産物屋と合わせて暑くさえなければ一日楽しめるテーマパークになっている。茹でエビを貪り食う昼食を済ませ、暑さに殺されないうちに帰ることにする。暑くさえなければもう少し見て回りたいという後ろ髪を引かれる思いになったのは、ガネーシャに後ろ髪があるのが原因だろう。

       

       

       

       

      帰路はディーゼルカー。往路とは反対側の車窓を見ながら戻ることにする。中間駅の駅舎は全て同じ作り。コストダウンのためによくあることなのだが、周りの景色も変わらないので味気ない。無人化した駅は荒らされていて悲しくなる。

       

       

       

       

       

       

       

      最後の晩はバンコクに住む有名人に会いに某所へ。

       

       

      こうしてバンコクの夜は更けていくのでした。


      137号車 タイ東北線攻略の旅・12 【 計画変更をするも東本線へ 】

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        本来は昨日、バンコクに到着したその足で東本線の攻略に行く計画を立てていた。

        カンボジアとの国境、アランヤプラテートに向かい、折り返してチャチューンサオで一泊。明けてパタヤ方面のバンプルタールアンに行ってバンコクへ戻ろうと考えていた。しかしそんな気力が折られるほどに疲れていた。なので計画を変更してバンコクで休息日とした。

         

        帰国へのフライトは明日。今日1日で行ってこれるとすればアランヤプラテートかバンプルタールアンのいずれか。どちらに向かうにも早朝の出発となる。早起きしてまで列車に乗りに行かねばならないのか。そう考えるほどに疲れていた。この2路線は2日あれば巡ってこれる。タイには毎年のように来ている。いずれまた来るだろう。その時ついでに乗りに来ればよいのだ。そう判断した。

         

        だからといって1日バンコクでボンヤリするのもMOTTAINAI。どうしても見ておきたいモノがあった。鉄道の旅はここまでにして、それを見に行こうと腰を上げた。

         

        列車は10:10発の367列車、チャチューンサオ行。奇しくも見送った東本線、その両方面への分岐駅へ向かう列車に乗り込み終点に向かう。

         


         

         

         

         

         

         

        列車の組成から見学。編成はオーストラリアからのクイーンズランド鉄道から渡ってきたステンレス客車。電装解除をした元電車に見えるけれども、その逆で電装改造を見越して製造された客車だったとの由。タイはホームが低いのでオリジナルのドアは閉鎖してあり、両端にデッキが増設されて使用されている。車内から見るとドア前に座席が設けられていた。

         

         

         

         

         

         

         

        列車はパヤータイからエアポートレールリンクの高架下に入る。フアマーク駅からは複線。スワンナプーム空港最寄りのフアタケ駅までは以前に乗車している。このあたりでエアポートレールリンクは右に折れて空港を目指し、こちらは田んぼの中をひたすらまっすぐ走るローカル線になる。複線区間に入ってからの各駅は駅舎を含めて画一的な造り。複線化に際して再整備したような様相。新しいようでも田んぼの中の駅とあっては利用客も少ないようで、落書きなどが酷く、廃駅もいくつか存在した。

         

         

         

         

         

         

        列車は1時間半ほどで終点のチャチューンサオに到着。目的の場所へは乗り合いバスで行けるようだ。

         

         

        駅前の道に出る。乗り合いバスはやってくるが目的の場所に向かうバスが現れない。みんなはここで待てと言うけれども、たぶん乗り場が違うんだ。

         

        何よりも暑い。心は折れ始めている。だけど、せっかくここまで来たのだからと金を使うことにした。

         


        136号車 タイ東北線攻略の旅・11 【 洗濯ロープを開発した 】

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          ウボンラーチャタニー駅18:30発の68列車。終点バンコクには明朝5:50の到着。

          ホームにあったキロポストは起点となるバーンパーチーからではなくバンコクからの通算キロ。従って575キロの距離を11時間20分かけて走ることになる。

           

          編成の呪文は 機・荷・イネ・ロネ・ロネ・ロネ・ロネ・ロネ・ロネ・シ・ロザ・ハザ・ハザ の13両。

           

          3号車は女性と子供専用車。車内には防犯カメラが設置されている。タイ国鉄では乗務員による不祥事を発端に女性・子供専用車が整備され、そして今では駅構内や車内は全面禁酒になった。食堂車にすらアルコールは無い。寝酒に駅前で買い込むむきもみられるが、車内で酒盛りができないので、それはもう静かな車内が約束される状態になった。

           

           

           

           

           

          列車は定刻に発車。とにかく眠かったので早めに寝台をセットしてもらって就寝。

           

          初めて寝台列車に乗ったのは中学生の頃。臨時の急行「おが」に秋田から乗り込んだ。興奮してなかなか寝付けなかったのを覚えている。寝ても駅に着くたびに起きてしまっていた。

          幅52センチの3段寝台、憧れの「走るホテル」20系客車に乗ることができた喜びで寝付かなかったのだ。しかも大好きな「ナハネフ23」が組み込まれた編成だった。当時既に20系は去就が取り沙汰されていたのでどうしても乗りたかったのだ。そうして上野ではなく赤羽で下車し、先頭を見ると牽引はEF58の89号機。上野まで乗って行けば最高の組み合わせで写真が撮れたのにと悔しがったのも良い思い出。

           

          あれから幾年月。「動いている物体の中では寝付けない」という職業柄から来る身体的反射期を経て、寝台車こそ簡単に寝付くことができる身体になりました。

           

           

           

           

          ぐっすり寝こけて翌朝。列車は15分ほどの遅れでバンコクに到着。上出来だ!

          駅前のホテルに出戻り。時刻は6:20。超アーリーチェックインなのだけれど、さすがはバンコクの駅前ホテル。こうして夜行列車で到着する客も多いのだろう。追加料金も取られることなく迎え入れてくれた。

           

          いよいよ疲れが出てきたので行程を見直して、この日はゆっくりする事にした。洗濯をしようと宿沿いの路上にあるコイン洗濯機に向かうと現在使用中。空くのを待つ間に洗濯ロープをどうするか思案。駅前の雑貨屋で相談するとビニール紐ならあるという。それを手にして今度は洗濯バサミだとなったところでハタと閃く。洗濯バサミは不要だと。

           

          早速ホテルに戻って、ビニール紐で工作を開始。洗濯バサミ不要の洗濯ロープを開発した。その概要については実用新案か特許が狙えるかもしれないのでココでは記さないが、今あなたの頭の中をよぎったモノがあるのならば、たぶんそれだ。特許は先願主義なので明日にでも出願するがいいよ。特許申請がいかに面倒か知ることができるから。

           

          それくらいの工夫で荷物は減らすことができるのだ。これからは洗濯が必要になる旅には数mのビニール紐を持っていく事にした。

           

          さて洗濯機が空かない。洗濯はとうに終わっているのだが空かない。路上のコイン洗濯機は近所の人達がルーティンで使用しているに違いない。もしくは自家用の洗濯機を路上側に出しておくと、みんなが勝手に使っちゃうからコイン式にしているのではなかろうか。だからこうした事態になっているのだろう。他所者が使うなんてことはイレギュラーなのだ。取り込まなくても誰にも文句は言われないのだろう。

           

          やっと空いた洗濯機で洗濯を済ませ、開発した洗濯ロープに干してみて仕様の問題点を修正したりしてから午睡。

           

          夕刻涼しくなったところでチャイナタウンへ。実は何度もタイに来ているけれども、チャイナタウンをちゃんと見て回った事は無かったのだ。

           

           

           

          1970年代のいすゞのTXトラックが佇み、ビバンダム君も「ワイ」をするバンコクの路地を抜けてチャイナタウンへ。

           

           

           

           

           

           

          が、思ったほど賑やかな街ではない。世界で一番大きいといわれる横浜の中華街を知っているからだろうか。フカヒレやツバメの巣は安く食べられるみたいだけれども、食指が動かない。ちゃんとした店で食べるのも独りでは敷居が高すぎる。

           

           

          結局いつものバンコク駅前食堂のいつもの席での夕食なのでした。やっぱりここが一番落ち着くのだ。

           


          135号車 タイ東北線攻略の旅・10 【 ジョンさんとジョーさん 】

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            ナコーンラーチャーシマーで迎えた朝。外は雨。昨夜せっせと洗濯した服は生乾き。

             

             

             

            トゥクトゥクを拾って駅へ。スコールではなく普通の雨がずっと降っている。

            雨なので撮影もままならない。旅の疲れが出てきて動くのが億劫になってきているのもある。なので駅前ロータリーに鎮座する保存機はバックショットのみ。構内には日本から渡ってきた24系客車が1両だけ留置されていた。こうして編成を外れてポツネンと留置されている車両は、どのような処遇なのだろうかといつも疑問に思う。職員の仮眠施設として使われていたりするのじゃなかろうか。

             

             

             

             

             

             

             

            これから東北(南線)の終点、ウボンラーチャターニー駅を目指す。今日は特急列車で向かうことにした。バンコクを6時前に出た21列車はナコンラーチャーシマーを10:11の発車。これに乗って一挙に進む。チケットは453バーツだった。

             

             

             

             

            列車が近づいてくると俄かにホームが活気づく。売り子さんたちが列車を待ち構えているのだ。降車と乗車、買い物に降りてくる人とで騒然としたドアから列車に乗り込む。

             

            指定の席は先頭車の最前列。通路側の席なので車窓も楽しめない。ほぼ満席なので席の移動もできずに本を読んで過ごすことにした。

             

            特急列車は車内サービス込みの料金。提供された昼食は今までのお弁当と違ってレンジアップのものに変わっていた。これはちょっと残念だ。メニューは御飯とグリーンカレーと茶碗蒸しだった。

             

             

             

            時折左側の窓ガラスをバチンと叩く音がする。木の枝が窓ガラスを叩くことはあるけれども、そうした音とは違って、平手で窓を叩くような音だ。何事だろうと気にしていたら、駅通過時に発生している事に気づいた。

             

            音の原因はタブレットキャッチだった。進行左、助士側の乗務員室のドアから身を乗り出してキャッチするタブレット。輪っかの先に付いたタブレットの入った鞄の部分が、キャッチの際の反動で窓ガラスを叩いていたのだ。日本でタブレットが現役であった頃は、叩く恐れのある窓にはガードの柵が付いていたものだが、ここではそれはないらしい。

             

             

             

            バチンと窓ガラスを叩く音を繰り返し聞かされること4時間、列車は定刻の14時に終点ウボンラーチャタニー駅に着いた。

             

             

             

             

             

            バンコクまでの夜行列車のチケットを購入。次の列車の発車まで4時間。中途半端な時間だ。ここも町の中心部から離れたところに駅がある。町まで繰り出すのも億劫なので駅で過ごすことにする。

             

            駅舎のホール。気持ちよさそうに寝ている犬がいる。東南アジアでは珍しい景色ではない。

             

             

             

             

             

            インフォメーションセンターの女性がジョンさんとジョーさんという名前だと教えてくれた。彼らをよく観察してみると、ちゃんとシーリングファンの風が当たる涼しい場所で寝ていることがわかる。

             

             

             

            発車していく列車を眺めたりとブラブラしながら時間をつぶしていると、駅構内を汗を拭き拭きあてどなくしている外国人を見かねたのかインフォメーションセンターの女性に声をかけられ、1等車の利用者専用待合室に案内された。いわゆるファーストクラスラウンジだ。お礼を述べてエアコンが効いたラウンジで過ごすことにする。こうしたことに気づいて動いてくれるホスピタリティがタイの良いところだ。

             

             

            快適な環境で読書をしながら次の列車を待ったのでした。

             

             


            134号車 タイ東北線攻略の旅・9 【 鶏肉の団扇 】

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              列車はブワヤイ分岐駅に到着。14分の遅れ。駅名が「分岐駅」と名乗るように東北線の新線、バイパス線の北側の分岐駅だ。

               

              タイ国鉄の東北線は大きく3つの路線群からなる。アユタヤの北、バーンパーチー分岐駅で北線から分岐して始まる東北線は、ノンカーイ駅に向かう東北(北)線を基幹として、ナコンラーチャーシマーの隣、タノンチラ分岐駅からウボンラーチャータニーに向かう東北(南)線、バーンパーチー分岐駅から30分ほどのケンコーイ分岐駅から北に折れて北線のブワヤイ分岐駅を結ぶ東北(バイパス)線で構成される。

               

              バイパス線にはダム湖の上を走るという観光名所があるのだけれども今回は夜行列車で通ってしまったので、湖上を走っていた頃は夢の中。残念である。今回は「全線走破」が目的なので致し方ないけれども、バイパス線にはいずれ昼間に乗ってみたいと思っている。

               

               

               

               

               

               

              中線に停車している車両はバイパス線を走ってきたブアヤイ止まりの列車だろうか。すぐに発車かと思っていたがしばらく停車。この列車が遅れていたので、この先で交換する予定の対向列車を待っていたようだ。母屋側に対向列車が入ってくるとすぐに発車。時刻は17時37分。23分の遅れ。まあまあ順調である。

               

               

               

               

              ブアヤイ駅を出るとバイパス線が右に分岐していく。そうして列車は再び田んぼと原野という変わらない景色の中に入っていく。車窓は次第に暗くなり、ピントが効かなくなってきたので撮影はあきらめる。

               

               

               

               

              小腹を満たそうと車内に乗り込んできた物売りからガイヤーンとカオニャオ(蒸かしたもち米)を購入。

              ガイヤーンとは鶏肉を開いて焼いたものだ。サイズが大きく割った竹で挟んである。写真を撮っていないので伝わりづらいのだが、団扇の紙の部分が鶏肉になっているとイメージしてもらえばよいだろうか。その状態で炭火焼にしたものを車内に売りに来るのだ。その焼き鳥はスーパーのレジカゴに裸で積まれてやってくる。火は通っているし、まだ熱いし大丈夫だよ。自分はそう考えるが、多くの日本人には抵抗があるだろう。だけどおいしいのだ。おいしいものは見た目があまりよくないものなのだ。

               

              終点のナコンラーチャーシマーには19時12分、予定から12分遅れで到着。天気は雨になってしまった。車中で予約した宿が、思いのほか駅から遠くてわかりづらい場所にあって難儀してしまった。荷を解いて食事に出るも屋台も少ない。何故なら町の中心は隣のタノンチラ分岐駅の方にあるのだ。

               

              それでもナコンラーチャーシマー駅を選んだのは、鉄道駅として魅力がこちらのほうにあるだろうと踏んだからなのだ。明朝の好天を期待し、写真も多くは撮らずに宿で洗濯に勤しんだのでした。

               

               

               


              133号車 タイ東北線攻略の旅・8 【 列車は順調に遅れはじめる 】

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                列車は田んぼと原野の中をひたすらノンビリと走る。適度に人のいる車内はみんなが列車の揺れに眠気を誘われて気だるい雰囲気に覆われている。外は暗くなったと思うとスコールがやってくる、降ったりやんだりと雨季特有の空模様。

                 

                少年が乗り込んできて自分のボックスの向かいの席に座った。大きな荷物を持っていて、どこかにお使いに行ってきた帰り道といった風情。車窓をカメラに収めていると、自慢げに携帯電話を取り出して同じように車窓の写真を撮りはじめた。人とコミュニケーションをとるのがあまり得意ではないのだろうと感じさせるその少年は、幾つかの駅を過ぎたところで席を移り、いつの間にか降りていったようだ。

                 

                 

                 

                ナムポーン駅では女の子が大泣きをしていた。列車に乗り込んだ両親と別れるのが辛いのだろう。最後にはおばあさんに担がれていってしまった。タイの東北部、イサーン地方。タイの中でも貧しい地域といわれ、バンコクだけでなく海外にまでも出稼ぎ者を出しているといわれている。主要な産業が無いだけで緑豊かな地域なのだけれど、かつての日本がそうであったように物質文明が進んだが故の反動なのだろう。物流が大きく変われば解消されていくのであろうけれども、それがいつになるのかは誰にもわからない。

                 

                 

                 

                タイ国鉄の無人駅は時刻表では割愛されている。地元の利用客だけが列車の時刻を知っていればよいという事なのだろう。とある無人駅は田んぼに囲まれ、いったいこの駅にはどうやってたどり着けばよいのだろうと考えてしまう。

                 

                 

                 

                空港もある大きな街、コーンケンに到着。構内にはタンク車が並び貨物輸送の基地であることがわかる。タイ国内の主要駅には燃油基地が見受けられる。列車は時刻通りに発車。ここまで2時間半。やっと1/3を超えたところである。

                 

                 

                 

                次のタープラ駅では交換列車を待つ。やってきたのはタンク車を連ねた貨物列車。コーンケンに向かうのか、はたまたその先を目指すのか。左側に乗っている助士がここまでのタブレットをキャッチャーに投げ落とし通過して行く。

                 

                 

                 

                 

                余談ではあるが、タイ国鉄の車両は右側に運転台がある。従って左側が助士になる。タブレットも左側での受け渡しとなる。かつて日本からキハ58がタイに譲渡されているのだが短命に終わってしまった。その理由がタブレットキャッチの問題だったという。日本の車両は運転台が左側にあるため支障があったとの話だ。キハ58ならば運転台の後方に乗務員室のドアがある。そのドアの落とし窓を開けて助士がキャッチすれば済む話なのだが、タイの皆さんの気質から察するに「面倒だった」のだろう。そうして廃車となったキハ58を目にする事が出来たのは今年の2月、ずーっと南のカンタン駅構内である。それはまたいずれお伝えします。

                 

                さあこれで発車と思っていたら、対向線路のホルダーに新たなタブレットがセットされた。続行で列車がやってくるのだろう。発車はまだ先だ。

                 

                やってきたのはバンコクからの普通列車。コーンケンですれ違うはずの列車なので30分ほど遅れているようだ

                 

                 

                 

                 

                 

                タープラ駅では25分ほど停車して発車。列車は順調に遅れはじめた。

                 

                 


                132号車 タイ東北線攻略の旅・7 【 場内開通促進汽笛 】

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                  この記事がアップされる頃には那覇にいます。「サニーゴ」という沖縄以南にしか居ないポケモンを捕まえに行くのです。先月も台湾に行ったのですが、暇がなくて6匹しかゲットできなかったので補完しに行くのです。貯まったマイルを使って行くので飛行機代はタダです。10年ぶりくらいに国内線に乗るので勝手がわかりませんが、iphone片手にチケットレスで行ってきます。

                   

                   

                   

                  待つこと2時間。これから乗る列車がホームに滑り込んできた。ナコン・ラーチャーシマから6時間かけてやってきた列車だ。

                   

                   

                   

                  折り返して再びナコン・ラーチャーシマに向かう。即ち自分はこれから6時間列車に揺られることになるのだ。お尻が嫌になる旅の始まりである。

                   

                  日本で引き出したタイ国鉄のウェブ版の時刻表には、これから乗る列車は掲載されていなかった。タイ国鉄のウェブ版の時刻表はそもそもあまり当てにならないので、バンコクに着いてからフアランポーン駅で手に入れた時刻表で存在を確認した。それでも現地に来てみると実際の時刻は微妙に異なっていたのだけれども。

                   

                   

                   

                   

                  定刻でノンカーイ駅を発車した418列車はひたすら原野と田んぼの中を走るだけ。駅が近づくと町になって、駅を出れば再び緑の景色。山もないような平野をひたすら走る。

                   

                   

                  そうして眺めるものもない単調な景色のなか、ぼんやりと列車に揺られているとあることに気が付いた。

                  列車はやたらと警笛を鳴らすのだ。

                  これまでの経験からタイ国鉄に乗っていて警笛が鳴らされるのは踏切に近づいた時。警手を置かない踏切は警報機だけで遮断機が無い。なので皆さん平気で渡るので列車はパンパン警笛を鳴らしながら踏切に近づいていく。警笛だけでなくブレーキがかかったら、それはもういよいよの事態なので窓から身を乗り出して前方を見るとまだ踏切内に自動車がいたりする。

                   

                  しかし、ここは原野の中。踏切もあまりない。身を乗り出してみても何もない。警笛を鳴らすのは何故なのか。

                  そうこうするうちにあることに気づいた。列車は停車駅に近づくと警笛を鳴らすようになるのだ。そうしてある駅の手前で列車は停止した。急制動ではないので緊急事態ではない。前方を見ると場内信号機が停止現示だった。わかりやすく言うと駅の入り口が赤信号。単線でタブレット閉塞、腕木式信号機が現役のこの路線。駅の信号係が手動でハンドルを倒すと構内に張り巡らされたワイヤーが引かれてポイントや信号機が変わる。

                  頻繁に鳴らされる警笛は駅員に列車の接近を知らせるためだったと思われる。

                   

                  列車が駅を出ると次駅に連絡が入る。受けた次駅は到着時刻を予測して待ち構えているはずなのだが、場内信号機は停止現示。保安装置が無いため上下列車の同時進入は出来ないという規則はあるが、対向列車の気配すらない。たぶん駅員さんたちはみんなノンビリしてるのである。

                   

                  なんせ列車が1本行ってしまえば次はしばらく来ない。必然的に時間はたくさんある。そうするとどういうことが起きるのかというと、駅構内は綺麗に掃き清められ、花壇や箱庭やベンチが整備され、あちこち塗りなおされたペンキでピカピカしている。ペンキは塗り重ねられ厚みを感じるほどだ。

                   

                   

                   

                   

                  列車はタイ東北部の平野をノンビリと走るのでした。

                   


                  128号車 タイ東北線攻略の旅・3 【 国境越えの鉄路 】

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                    こんにちは。昨日タイより帰国しました。今回はカンタン線とキリラッタニコム線、そして投入されたばかりの中国製の新製寝台車に乗ってきました。このブログは全くタイムリーではないので、いずれ報告しますね。冬の身体で夏な場所に行ってしまったものですから、暑さに追いつけなくて大変でした。その暑さに慣れたころに日本に帰ってきたものですから寒くて腹立たしいです。今日なんて積もらないまでも雪が降っているんですよ。年間を通して春か秋な場所に住みたいものです。

                     

                    ブログの仕様が変わったようで、今回から写真が大きくなります。

                    さて、本稿に戻ります。

                     

                    乗り込んだノンカーイ行69列車は定時に発車。編成は

                    機関車・ニ・ハザ・ハザ・シ・ロザ・ハネ・ハネ・ハネ・ロネ

                     

                    20時発なので既に寝台はセットされており、端から寝台で過ごすことに。寝るには少し早いのでカーテンを開けたまま読書をして過ごす。通路向こうの上段寝台にいるバックパックを担いだ青年は明らかに日本人。初めての一人旅という風情だったのだけれども、一人旅の楽しみを壊しちゃいけないとしばらく声をかけずにいたのだが、途中駅から乗り込んできた欧米人が荷物の置き場で揉めていたので、彼に荷物の置き場を変えてあげてと声をかけると「日本人だったんですか!」とばれてしまった。「うん、まぁ」と濁して就寝。海外に出ると黄色人種は言葉を発しないと区別がつきにくい。しかして慣れてくると微妙な顔つきや持ち物・服装で判断はつくようになるのだ。

                     

                    翌朝、列車は定刻通りにノンカーイに到着。一雨降ったようで地面は濡れ、立ち昇る水蒸気で蒸していた。

                     

                     

                    向かいの寝台の青年から声をかけてきて、これからラオスに向かうという。ならば一緒に行こうという事になった。彼の名はT君。中国の広州で日本人学校の幼稚園の教諭をしており、休みで旅行に来ているとの事。

                     

                    69列車に合わせて国境を超える列車があるはずなので駅舎の時刻表を確認。国境越えの913列車は7時半の発車。15分で終点、ラオスのターナレーン駅に着く。

                     

                     

                     

                     

                    ホームの北端に2両編成の913列車は停車しており、その手前のホーム上にイミグレーションがある。ここで出国手続きをして、あの列車に乗らなかったらどうなるんだろう。出国手続きをせずとも簡単に乗れる状態にある列車もまた不思議な存在である。

                     

                     

                     

                    そうして列車はノンカーイ駅を発車。列車はタイ・ラオス友好橋に入って行く。

                    この友好橋が気になって仕方がなかったので今回の旅を計画したのだ。メコン川に架かる友好橋。1994年に開通したこの橋は併用橋として建設されていて、2009年になってやっと鉄道の運行が始まったのだ。併用橋や併用トンネルといったあまり見かけないものは、是非見ておきたい性分なのだ。

                     

                     

                     

                     

                    いよいよ列車は併用橋へ。列車は中央部に敷設された線路を走る。鉄道運行時は自動車は通行止めとなる。橋の中央に両国の国旗が掲げられ、国境であることを示している。歩道はあるけれども徒歩での越境は禁止しているが、国境部までは歩いてこれるそうだ。

                     

                    車内では検札とパスポートのチェック。これが唯一の密入国阻止の手段な気がする。

                     

                    ラオスには鉄道が無い。この国境越え、6キロ弱の路線のうちの半分が唯一のラオスを走る鉄道なのだ。タイ国鉄が運行する1日2往復の列車。なかなかの風情だが、ラオス側のターナーレーン駅がビエンチャンから30キロほど離れており、アクセスが至極悪い。なので物好きな人を除いてはビエンチャン行のバスでこの橋を渡っていくのだ。

                     

                     

                     

                    物好きを乗せた列車はラオス唯一の鉄道駅であるターナーレーンに到着。ホーム上にあるイミグレーションで入国の手続き。同じ列車に乗り合わせていた人達が入国カードをもらって記入していたので、入国カードをもらおうとすると、「君たち日本人は不要だ」との事で、入国税を40バーツを払ってスタンプを押してもらってあっさり入国。

                     

                    国境というものの物々しさを感じない駅のホーム。数分前までと違う事はパスポートにラオスのスタンプが押されたという事だ。

                     

                    ここでS君が声をかけてきた。大学生で昨夜はノンカーイに泊まって同じ列車に乗ってきたそうだ。駅の周りには何もない。駅前で列車を降りてくる乗客を待ち構えていたバンのドライバーと交渉。ビエンチャンまで一人100バーツだという。相場が解らないので高いのか安いのか判断はつかないが、30キロの距離を300円で行ってくれるなら安いのではないだろうか。そうして日本人3人はバンに乗り込み、街に続く泥だらけの悪路をバンは走っていくのでした。

                     

                     

                    ちなみに、一緒にバンに乗っていた地元のおばちゃんは、もっと安く乗っていたのは言うまでもない。

                     


                    127号車 タイ東北線攻略の旅・2 【 まだバンコクなのです 】

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                      明けて8月5日。窓にはフアランポーン駅。起き抜けに駅を眺められるなんて最高だ。

                       

                       

                       

                      これまで毎日のようにいくつもの駅で寝泊まりしているけれども、起き抜けに俯瞰で優雅に駅を眺めるようなことはあまりなかった。なぜなら寝ているのが駅の中で起き抜けに仕事を始めているからだ。旅は良いものだ。こうして好きなものを時間にとらわれずに眺めることができるのだから。

                       

                      起き抜けに外気に触れる。この清々しさを知るとベランダのある宿じゃないと満足できないようになってくる。喫煙者なのでベランダは必須なのだが、それ以上に朝のこのひと時の為に必要なのだ。ぼんやりした頭で、今日はどこで何をしようかとタバコを燻らせながら思案するひと時が楽しいのだ。例えそれが湿度も気温も高くてドブの臭いが立ち昇るフアランポーン駅前のホテルであってもなのだ。

                       

                      朝食付きのプランなので1階のレストランへ。パンか粥かを選べるので粥をオーダー。これを食べてあらためてタイに来ているのだなと実感する。

                       

                       

                      朝食を済ませて駅へ。今夜の寝台列車のチケットを無事に確保。下段が売り切れていたのは残念だけれども寝るだけなのだから良しとする。各地から到着した夜行列車をチェックしたりして宿に戻る。

                       

                       

                       

                       

                       

                      荷をまとめてホテルを出る。1泊しかしないのは非常に惜しく感じるホテルだ。立地といい、レトロな風情といい、これからのバンコクの定宿にしたいと思う。

                       

                       

                       

                       

                       

                      そんな名残惜しさを感じながら向かったのはフアランポーン駅。どんだけ駅が好きなんだよ!というわけではなく、手荷物預かり所に荷を預けるのだ。構内の隅にあるそこは改装されて綺麗になっていた。

                       

                       

                      フアランポーン駅からは地下鉄とスカイトレインとを乗り継いでサイアム駅へ。地下鉄の構内には見覚えのある会社の広告が。いずれバンコクからチェンマイへ新幹線が走る日が来る。はず。の予定。きっと。たぶん。

                       

                      そして目的地のMBK、マーブンクロンセンターへ。大好きなんだここが。バンコクでは観光なんてしないで一日中ここで過ごしてもいいくらいだ。という嘘をついてもいいくらい面白い。だって、普通にパチモノとか売ってるんだぜ!雑多なお店が入っていて、クーポン制のフードコートも幾つかあるので食事にも困らない。まともで安全なものが欲しければ、中にある東急ストアでお買い物すればいいのだ。

                       

                       

                      そんなMBKで波照間エロマンガ島さんhttp://rive-gauche.jugem.jp/と合流。ニヒル牛マガジンの執筆者の一人としてお馴染みの方だ。2月にチェンマイでお会いしているので半年ぶり。互いの近況などを話しながらオッサン二人でブラブラ歩く。

                       

                       

                       

                       

                       

                      渡船でクロンサン市場に渡ったところでエロさんと別れる。クロンサン市場は細長い場所に店舗が密集して並んでいる。市場の先の道路を進んでいくとウォンウェアンヤイ駅に至る。かつてはマハーチャイ線の駅だった場所にクロンサン市場があるのだ。

                       

                       

                       

                       

                       

                      フアランポーン駅に戻り列車の入線を待つ。早めに入線するであろうから、預けていた荷物を引き出し、寝台に荷を置いて夕食を済ませ、駅のシャワールームで汗を流してから冷房の効いた寝台でぐっすり眠る算段だ。

                       

                       

                       

                       

                       

                      算段通りに事を進める。荷を置いて駅舎を眺めながらいつもの駅前食堂で夕食を済ませる。そうして列車に戻り、お風呂セットと着替えを取り出して、勇んでシャワールームへ。ここでシャワーを浴びるのが好きなのだ。前回は改装という憂き目に遭ったが、今回は改装が済んだ綺麗なシャワールームで汗を流すことが出来た。

                       

                      そうしてやっとバンコク発ノンカーイ行69列車の車中の人となったのである。

                       


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                      齋藤彦四郎
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