135号車 タイ東北線攻略の旅・10 【 ジョンさんとジョーさん 】

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    ナコーンラーチャーシマーで迎えた朝。外は雨。昨夜せっせと洗濯した服は生乾き。

     

     

     

    トゥクトゥクを拾って駅へ。スコールではなく普通の雨がずっと降っている。

    雨なので撮影もままならない。旅の疲れが出てきて動くのが億劫になってきているのもある。なので駅前ロータリーに鎮座する保存機はバックショットのみ。構内には日本から渡ってきた24系客車が1両だけ留置されていた。こうして編成を外れてポツネンと留置されている車両は、どのような処遇なのだろうかといつも疑問に思う。職員の仮眠施設として使われていたりするのじゃなかろうか。

     

     

     

     

     

     

     

    これから東北(南線)の終点、ウボンラーチャターニー駅を目指す。今日は特急列車で向かうことにした。バンコクを6時前に出た21列車はナコンラーチャーシマーを10:11の発車。これに乗って一挙に進む。チケットは453バーツだった。

     

     

     

     

    列車が近づいてくると俄かにホームが活気づく。売り子さんたちが列車を待ち構えているのだ。降車と乗車、買い物に降りてくる人とで騒然としたドアから列車に乗り込む。

     

    指定の席は先頭車の最前列。通路側の席なので車窓も楽しめない。ほぼ満席なので席の移動もできずに本を読んで過ごすことにした。

     

    特急列車は車内サービス込みの料金。提供された昼食は今までのお弁当と違ってレンジアップのものに変わっていた。これはちょっと残念だ。メニューは御飯とグリーンカレーと茶碗蒸しだった。

     

     

     

    時折左側の窓ガラスをバチンと叩く音がする。木の枝が窓ガラスを叩くことはあるけれども、そうした音とは違って、平手で窓を叩くような音だ。何事だろうと気にしていたら、駅通過時に発生している事に気づいた。

     

    音の原因はタブレットキャッチだった。進行左、助士側の乗務員室のドアから身を乗り出してキャッチするタブレット。輪っかの先に付いたタブレットの入った鞄の部分が、キャッチの際の反動で窓ガラスを叩いていたのだ。日本でタブレットが現役であった頃は、叩く恐れのある窓にはガードの柵が付いていたものだが、ここではそれはないらしい。

     

     

     

    バチンと窓ガラスを叩く音を繰り返し聞かされること4時間、列車は定刻の14時に終点ウボンラーチャタニー駅に着いた。

     

     

     

     

     

    バンコクまでの夜行列車のチケットを購入。次の列車の発車まで4時間。中途半端な時間だ。ここも町の中心部から離れたところに駅がある。町まで繰り出すのも億劫なので駅で過ごすことにする。

     

    駅舎のホール。気持ちよさそうに寝ている犬がいる。東南アジアでは珍しい景色ではない。

     

     

     

     

     

    インフォメーションセンターの女性がジョンさんとジョーさんという名前だと教えてくれた。彼らをよく観察してみると、ちゃんとシーリングファンの風が当たる涼しい場所で寝ていることがわかる。

     

     

     

    発車していく列車を眺めたりとブラブラしながら時間をつぶしていると、駅構内を汗を拭き拭きあてどなくしている外国人を見かねたのかインフォメーションセンターの女性に声をかけられ、1等車の利用者専用待合室に案内された。いわゆるファーストクラスラウンジだ。お礼を述べてエアコンが効いたラウンジで過ごすことにする。こうしたことに気づいて動いてくれるホスピタリティがタイの良いところだ。

     

     

    快適な環境で読書をしながら次の列車を待ったのでした。

     

     


    134号車 タイ東北線攻略の旅・9 【 鶏肉の団扇 】

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      列車はブワヤイ分岐駅に到着。14分の遅れ。駅名が「分岐駅」と名乗るように東北線の新線、バイパス線の北側の分岐駅だ。

       

      タイ国鉄の東北線は大きく3つの路線群からなる。アユタヤの北、バーンパーチー分岐駅で北線から分岐して始まる東北線は、ノンカーイ駅に向かう東北(北)線を基幹として、ナコンラーチャーシマーの隣、タノンチラ分岐駅からウボンラーチャータニーに向かう東北(南)線、バーンパーチー分岐駅から30分ほどのケンコーイ分岐駅から北に折れて北線のブワヤイ分岐駅を結ぶ東北(バイパス)線で構成される。

       

      バイパス線にはダム湖の上を走るという観光名所があるのだけれども今回は夜行列車で通ってしまったので、湖上を走っていた頃は夢の中。残念である。今回は「全線走破」が目的なので致し方ないけれども、バイパス線にはいずれ昼間に乗ってみたいと思っている。

       

       

       

       

       

       

      中線に停車している車両はバイパス線を走ってきたブアヤイ止まりの列車だろうか。すぐに発車かと思っていたがしばらく停車。この列車が遅れていたので、この先で交換する予定の対向列車を待っていたようだ。母屋側に対向列車が入ってくるとすぐに発車。時刻は17時37分。23分の遅れ。まあまあ順調である。

       

       

       

       

      ブアヤイ駅を出るとバイパス線が右に分岐していく。そうして列車は再び田んぼと原野という変わらない景色の中に入っていく。車窓は次第に暗くなり、ピントが効かなくなってきたので撮影はあきらめる。

       

       

       

       

      小腹を満たそうと車内に乗り込んできた物売りからガイヤーンとカオニャオ(蒸かしたもち米)を購入。

      ガイヤーンとは鶏肉を開いて焼いたものだ。サイズが大きく割った竹で挟んである。写真を撮っていないので伝わりづらいのだが、団扇の紙の部分が鶏肉になっているとイメージしてもらえばよいだろうか。その状態で炭火焼にしたものを車内に売りに来るのだ。その焼き鳥はスーパーのレジカゴに裸で積まれてやってくる。火は通っているし、まだ熱いし大丈夫だよ。自分はそう考えるが、多くの日本人には抵抗があるだろう。だけどおいしいのだ。おいしいものは見た目があまりよくないものなのだ。

       

      終点のナコンラーチャーシマーには19時12分、予定から12分遅れで到着。天気は雨になってしまった。車中で予約した宿が、思いのほか駅から遠くてわかりづらい場所にあって難儀してしまった。荷を解いて食事に出るも屋台も少ない。何故なら町の中心は隣のタノンチラ分岐駅の方にあるのだ。

       

      それでもナコンラーチャーシマー駅を選んだのは、鉄道駅として魅力がこちらのほうにあるだろうと踏んだからなのだ。明朝の好天を期待し、写真も多くは撮らずに宿で洗濯に勤しんだのでした。

       

       

       


      133号車 タイ東北線攻略の旅・8 【 列車は順調に遅れはじめる 】

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        列車は田んぼと原野の中をひたすらノンビリと走る。適度に人のいる車内はみんなが列車の揺れに眠気を誘われて気だるい雰囲気に覆われている。外は暗くなったと思うとスコールがやってくる、降ったりやんだりと雨季特有の空模様。

         

        少年が乗り込んできて自分のボックスの向かいの席に座った。大きな荷物を持っていて、どこかにお使いに行ってきた帰り道といった風情。車窓をカメラに収めていると、自慢げに携帯電話を取り出して同じように車窓の写真を撮りはじめた。人とコミュニケーションをとるのがあまり得意ではないのだろうと感じさせるその少年は、幾つかの駅を過ぎたところで席を移り、いつの間にか降りていったようだ。

         

         

         

        ナムポーン駅では女の子が大泣きをしていた。列車に乗り込んだ両親と別れるのが辛いのだろう。最後にはおばあさんに担がれていってしまった。タイの東北部、イサーン地方。タイの中でも貧しい地域といわれ、バンコクだけでなく海外にまでも出稼ぎ者を出しているといわれている。主要な産業が無いだけで緑豊かな地域なのだけれど、かつての日本がそうであったように物質文明が進んだが故の反動なのだろう。物流が大きく変われば解消されていくのであろうけれども、それがいつになるのかは誰にもわからない。

         

         

         

        タイ国鉄の無人駅は時刻表では割愛されている。地元の利用客だけが列車の時刻を知っていればよいという事なのだろう。とある無人駅は田んぼに囲まれ、いったいこの駅にはどうやってたどり着けばよいのだろうと考えてしまう。

         

         

         

        空港もある大きな街、コーンケンに到着。構内にはタンク車が並び貨物輸送の基地であることがわかる。タイ国内の主要駅には燃油基地が見受けられる。列車は時刻通りに発車。ここまで2時間半。やっと1/3を超えたところである。

         

         

         

        次のタープラ駅では交換列車を待つ。やってきたのはタンク車を連ねた貨物列車。コーンケンに向かうのか、はたまたその先を目指すのか。左側に乗っている助士がここまでのタブレットをキャッチャーに投げ落とし通過して行く。

         

         

         

         

        余談ではあるが、タイ国鉄の車両は右側に運転台がある。従って左側が助士になる。タブレットも左側での受け渡しとなる。かつて日本からキハ58がタイに譲渡されているのだが短命に終わってしまった。その理由がタブレットキャッチの問題だったという。日本の車両は運転台が左側にあるため支障があったとの話だ。キハ58ならば運転台の後方に乗務員室のドアがある。そのドアの落とし窓を開けて助士がキャッチすれば済む話なのだが、タイの皆さんの気質から察するに「面倒だった」のだろう。そうして廃車となったキハ58を目にする事が出来たのは今年の2月、ずーっと南のカンタン駅構内である。それはまたいずれお伝えします。

         

        さあこれで発車と思っていたら、対向線路のホルダーに新たなタブレットがセットされた。続行で列車がやってくるのだろう。発車はまだ先だ。

         

        やってきたのはバンコクからの普通列車。コーンケンですれ違うはずの列車なので30分ほど遅れているようだ

         

         

         

         

         

        タープラ駅では25分ほど停車して発車。列車は順調に遅れはじめた。

         

         


        132号車 タイ東北線攻略の旅・7 【 場内開通促進汽笛 】

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          この記事がアップされる頃には那覇にいます。「サニーゴ」という沖縄以南にしか居ないポケモンを捕まえに行くのです。先月も台湾に行ったのですが、暇がなくて6匹しかゲットできなかったので補完しに行くのです。貯まったマイルを使って行くので飛行機代はタダです。10年ぶりくらいに国内線に乗るので勝手がわかりませんが、iphone片手にチケットレスで行ってきます。

           

           

           

          待つこと2時間。これから乗る列車がホームに滑り込んできた。ナコン・ラーチャーシマから6時間かけてやってきた列車だ。

           

           

           

          折り返して再びナコン・ラーチャーシマに向かう。即ち自分はこれから6時間列車に揺られることになるのだ。お尻が嫌になる旅の始まりである。

           

          日本で引き出したタイ国鉄のウェブ版の時刻表には、これから乗る列車は掲載されていなかった。タイ国鉄のウェブ版の時刻表はそもそもあまり当てにならないので、バンコクに着いてからフアランポーン駅で手に入れた時刻表で存在を確認した。それでも現地に来てみると実際の時刻は微妙に異なっていたのだけれども。

           

           

           

           

          定刻でノンカーイ駅を発車した418列車はひたすら原野と田んぼの中を走るだけ。駅が近づくと町になって、駅を出れば再び緑の景色。山もないような平野をひたすら走る。

           

           

          そうして眺めるものもない単調な景色のなか、ぼんやりと列車に揺られているとあることに気が付いた。

          列車はやたらと警笛を鳴らすのだ。

          これまでの経験からタイ国鉄に乗っていて警笛が鳴らされるのは踏切に近づいた時。警手を置かない踏切は警報機だけで遮断機が無い。なので皆さん平気で渡るので列車はパンパン警笛を鳴らしながら踏切に近づいていく。警笛だけでなくブレーキがかかったら、それはもういよいよの事態なので窓から身を乗り出して前方を見るとまだ踏切内に自動車がいたりする。

           

          しかし、ここは原野の中。踏切もあまりない。身を乗り出してみても何もない。警笛を鳴らすのは何故なのか。

          そうこうするうちにあることに気づいた。列車は停車駅に近づくと警笛を鳴らすようになるのだ。そうしてある駅の手前で列車は停止した。急制動ではないので緊急事態ではない。前方を見ると場内信号機が停止現示だった。わかりやすく言うと駅の入り口が赤信号。単線でタブレット閉塞、腕木式信号機が現役のこの路線。駅の信号係が手動でハンドルを倒すと構内に張り巡らされたワイヤーが引かれてポイントや信号機が変わる。

          頻繁に鳴らされる警笛は駅員に列車の接近を知らせるためだったと思われる。

           

          列車が駅を出ると次駅に連絡が入る。受けた次駅は到着時刻を予測して待ち構えているはずなのだが、場内信号機は停止現示。保安装置が無いため上下列車の同時進入は出来ないという規則はあるが、対向列車の気配すらない。たぶん駅員さんたちはみんなノンビリしてるのである。

           

          なんせ列車が1本行ってしまえば次はしばらく来ない。必然的に時間はたくさんある。そうするとどういうことが起きるのかというと、駅構内は綺麗に掃き清められ、花壇や箱庭やベンチが整備され、あちこち塗りなおされたペンキでピカピカしている。ペンキは塗り重ねられ厚みを感じるほどだ。

           

           

           

           

          列車はタイ東北部の平野をノンビリと走るのでした。

           


          128号車 タイ東北線攻略の旅・3 【 国境越えの鉄路 】

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            こんにちは。昨日タイより帰国しました。今回はカンタン線とキリラッタニコム線、そして投入されたばかりの中国製の新製寝台車に乗ってきました。このブログは全くタイムリーではないので、いずれ報告しますね。冬の身体で夏な場所に行ってしまったものですから、暑さに追いつけなくて大変でした。その暑さに慣れたころに日本に帰ってきたものですから寒くて腹立たしいです。今日なんて積もらないまでも雪が降っているんですよ。年間を通して春か秋な場所に住みたいものです。

             

            ブログの仕様が変わったようで、今回から写真が大きくなります。

            さて、本稿に戻ります。

             

            乗り込んだノンカーイ行69列車は定時に発車。編成は

            機関車・ニ・ハザ・ハザ・シ・ロザ・ハネ・ハネ・ハネ・ロネ

             

            20時発なので既に寝台はセットされており、端から寝台で過ごすことに。寝るには少し早いのでカーテンを開けたまま読書をして過ごす。通路向こうの上段寝台にいるバックパックを担いだ青年は明らかに日本人。初めての一人旅という風情だったのだけれども、一人旅の楽しみを壊しちゃいけないとしばらく声をかけずにいたのだが、途中駅から乗り込んできた欧米人が荷物の置き場で揉めていたので、彼に荷物の置き場を変えてあげてと声をかけると「日本人だったんですか!」とばれてしまった。「うん、まぁ」と濁して就寝。海外に出ると黄色人種は言葉を発しないと区別がつきにくい。しかして慣れてくると微妙な顔つきや持ち物・服装で判断はつくようになるのだ。

             

            翌朝、列車は定刻通りにノンカーイに到着。一雨降ったようで地面は濡れ、立ち昇る水蒸気で蒸していた。

             

             

            向かいの寝台の青年から声をかけてきて、これからラオスに向かうという。ならば一緒に行こうという事になった。彼の名はT君。中国の広州で日本人学校の幼稚園の教諭をしており、休みで旅行に来ているとの事。

             

            69列車に合わせて国境を超える列車があるはずなので駅舎の時刻表を確認。国境越えの913列車は7時半の発車。15分で終点、ラオスのターナレーン駅に着く。

             

             

             

             

            ホームの北端に2両編成の913列車は停車しており、その手前のホーム上にイミグレーションがある。ここで出国手続きをして、あの列車に乗らなかったらどうなるんだろう。出国手続きをせずとも簡単に乗れる状態にある列車もまた不思議な存在である。

             

             

             

            そうして列車はノンカーイ駅を発車。列車はタイ・ラオス友好橋に入って行く。

            この友好橋が気になって仕方がなかったので今回の旅を計画したのだ。メコン川に架かる友好橋。1994年に開通したこの橋は併用橋として建設されていて、2009年になってやっと鉄道の運行が始まったのだ。併用橋や併用トンネルといったあまり見かけないものは、是非見ておきたい性分なのだ。

             

             

             

             

            いよいよ列車は併用橋へ。列車は中央部に敷設された線路を走る。鉄道運行時は自動車は通行止めとなる。橋の中央に両国の国旗が掲げられ、国境であることを示している。歩道はあるけれども徒歩での越境は禁止しているが、国境部までは歩いてこれるそうだ。

             

            車内では検札とパスポートのチェック。これが唯一の密入国阻止の手段な気がする。

             

            ラオスには鉄道が無い。この国境越え、6キロ弱の路線のうちの半分が唯一のラオスを走る鉄道なのだ。タイ国鉄が運行する1日2往復の列車。なかなかの風情だが、ラオス側のターナーレーン駅がビエンチャンから30キロほど離れており、アクセスが至極悪い。なので物好きな人を除いてはビエンチャン行のバスでこの橋を渡っていくのだ。

             

             

             

            物好きを乗せた列車はラオス唯一の鉄道駅であるターナーレーンに到着。ホーム上にあるイミグレーションで入国の手続き。同じ列車に乗り合わせていた人達が入国カードをもらって記入していたので、入国カードをもらおうとすると、「君たち日本人は不要だ」との事で、入国税を40バーツを払ってスタンプを押してもらってあっさり入国。

             

            国境というものの物々しさを感じない駅のホーム。数分前までと違う事はパスポートにラオスのスタンプが押されたという事だ。

             

            ここでS君が声をかけてきた。大学生で昨夜はノンカーイに泊まって同じ列車に乗ってきたそうだ。駅の周りには何もない。駅前で列車を降りてくる乗客を待ち構えていたバンのドライバーと交渉。ビエンチャンまで一人100バーツだという。相場が解らないので高いのか安いのか判断はつかないが、30キロの距離を300円で行ってくれるなら安いのではないだろうか。そうして日本人3人はバンに乗り込み、街に続く泥だらけの悪路をバンは走っていくのでした。

             

             

            ちなみに、一緒にバンに乗っていた地元のおばちゃんは、もっと安く乗っていたのは言うまでもない。

             


            127号車 タイ東北線攻略の旅・2 【 まだバンコクなのです 】

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              明けて8月5日。窓にはフアランポーン駅。起き抜けに駅を眺められるなんて最高だ。

               

               

               

              これまで毎日のようにいくつもの駅で寝泊まりしているけれども、起き抜けに俯瞰で優雅に駅を眺めるようなことはあまりなかった。なぜなら寝ているのが駅の中で起き抜けに仕事を始めているからだ。旅は良いものだ。こうして好きなものを時間にとらわれずに眺めることができるのだから。

               

              起き抜けに外気に触れる。この清々しさを知るとベランダのある宿じゃないと満足できないようになってくる。喫煙者なのでベランダは必須なのだが、それ以上に朝のこのひと時の為に必要なのだ。ぼんやりした頭で、今日はどこで何をしようかとタバコを燻らせながら思案するひと時が楽しいのだ。例えそれが湿度も気温も高くてドブの臭いが立ち昇るフアランポーン駅前のホテルであってもなのだ。

               

              朝食付きのプランなので1階のレストランへ。パンか粥かを選べるので粥をオーダー。これを食べてあらためてタイに来ているのだなと実感する。

               

               

              朝食を済ませて駅へ。今夜の寝台列車のチケットを無事に確保。下段が売り切れていたのは残念だけれども寝るだけなのだから良しとする。各地から到着した夜行列車をチェックしたりして宿に戻る。

               

               

               

               

               

              荷をまとめてホテルを出る。1泊しかしないのは非常に惜しく感じるホテルだ。立地といい、レトロな風情といい、これからのバンコクの定宿にしたいと思う。

               

               

               

               

               

              そんな名残惜しさを感じながら向かったのはフアランポーン駅。どんだけ駅が好きなんだよ!というわけではなく、手荷物預かり所に荷を預けるのだ。構内の隅にあるそこは改装されて綺麗になっていた。

               

               

              フアランポーン駅からは地下鉄とスカイトレインとを乗り継いでサイアム駅へ。地下鉄の構内には見覚えのある会社の広告が。いずれバンコクからチェンマイへ新幹線が走る日が来る。はず。の予定。きっと。たぶん。

               

              そして目的地のMBK、マーブンクロンセンターへ。大好きなんだここが。バンコクでは観光なんてしないで一日中ここで過ごしてもいいくらいだ。という嘘をついてもいいくらい面白い。だって、普通にパチモノとか売ってるんだぜ!雑多なお店が入っていて、クーポン制のフードコートも幾つかあるので食事にも困らない。まともで安全なものが欲しければ、中にある東急ストアでお買い物すればいいのだ。

               

               

              そんなMBKで波照間エロマンガ島さんhttp://rive-gauche.jugem.jp/と合流。ニヒル牛マガジンの執筆者の一人としてお馴染みの方だ。2月にチェンマイでお会いしているので半年ぶり。互いの近況などを話しながらオッサン二人でブラブラ歩く。

               

               

               

               

               

              渡船でクロンサン市場に渡ったところでエロさんと別れる。クロンサン市場は細長い場所に店舗が密集して並んでいる。市場の先の道路を進んでいくとウォンウェアンヤイ駅に至る。かつてはマハーチャイ線の駅だった場所にクロンサン市場があるのだ。

               

               

               

               

               

              フアランポーン駅に戻り列車の入線を待つ。早めに入線するであろうから、預けていた荷物を引き出し、寝台に荷を置いて夕食を済ませ、駅のシャワールームで汗を流してから冷房の効いた寝台でぐっすり眠る算段だ。

               

               

               

               

               

              算段通りに事を進める。荷を置いて駅舎を眺めながらいつもの駅前食堂で夕食を済ませる。そうして列車に戻り、お風呂セットと着替えを取り出して、勇んでシャワールームへ。ここでシャワーを浴びるのが好きなのだ。前回は改装という憂き目に遭ったが、今回は改装が済んだ綺麗なシャワールームで汗を流すことが出来た。

               

              そうしてやっとバンコク発ノンカーイ行69列車の車中の人となったのである。

               


              126号車 タイ東北線攻略の旅・1 【 アップグレード 】

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                あけましておめでとうございます。2017年も「テツトヒト」をご愛読いただければと思います。お気づきの事でしょうが、全くタイムリーでない旅行記を本年も遅々と綴ってまいりますのでよろしくお願いします。

                 

                さて、これを書いている今、近所にカイリューが出現しています。カイリューとはポケットモンスターの一種で、かなりの強さを持ちうる種です。ポケモンGOに夢中なので原稿とか書いている場合ではないのです。だけども我慢して書き進めたいと思います。

                 

                検索から飛んできた皆さんには分かりづらいかもしれませんが、このブログは「ニヒル牛マガジンhttp://nihirugyubook.but.jp/magazine.html」の一つとして掲載しています。そもそも「ニヒル牛マガジン」という字面的にもおかしなものは何ぞや?と思うでしょう。

                字面的におかしな「ニヒル牛(ぎゅう)http://nihirugyubook.but.jp/index.html」というお店が西荻窪にあるのです。その字面的におかしな店に出入りするおかしな面子の一人として旅行記を任命されて現在に至っています。他の連載陣が定期更新を疎かにしがちの中、ビタ一文ももらっていないのに隔週欠かさず更新しているわけですから、そうした律義さというか頭のおかしさを買われたのでしょう。

                 

                連載陣の半数は知り合いなのですが、

                「奥山商店の〜http://oqyama.jugem.jp/」の奥山氏に質問があるのでここで書いてみたいと思います。

                奥山氏はブログをアップした際にTwitterでつぶやいているのですが、全く不定期な更新をしていやがるのに「隔週月曜日更新 奥山商店の〜」との書き出しでtweetしています。隔週でもないし月曜日でもないのにです。彼女を知っているものからすれば奴らしい天然ボケなのかもしれないとも思うのですが、そもそも「隔週月曜日更新」の意味を理解していないのかもしれないという疑惑も湧いてきます。

                もしくはかつて販売されていたサンヨー食品のカップ麺、登場から終売までずっと「新発売!」とCMをしていて不思議だった「ケンちゃんラーメン 新発売!」が新発売まで含めて商品名だったというように、「隔週月曜日更新」も含めてブログタイトルなのかもと思ったりしたのですが、そうではないようです。

                 

                というか奥山、こっちはポケモン捕まえに行くのを我慢して記事書いてんだ。隔週でも月曜日でもないのに「隔週月曜日更新」とか書くなボケ!と、今度当人に会ったら伝えたいと思います。

                 

                さて、ポケモンを捕まえに行けない悔しさに惑わされているので本題に戻りたいと思います。ニヒル牛界隈ではご存知の方も多い「カブラギ」さん。数年前まではPCも携帯電話を持っていなかったのですが、ある日スマートフォンを持った途端に進化を遂げました。Twitterを使いこなし始めたころはうるさいくらいに蝶々の事をつぶやいていたのですが、今では「ポケモンおじさん」と呼ばれるほどにポケモンGOに夢中で、tweetも概ねポケモン関連。とにかく一貫して興味のある事だけを発信しています。そしてポケモンGOは高いレベルに達しているようです。それは仕事柄移動が多いからだと思っていたのですが、仕事中は電源を切って仕事に集中しており、仕事の後、そして早朝に起床して仕事前にポケモンを捕まえに行っているようです。そのストイックさは敬服に値することであり、同じくらいどうかしていると思います。

                 

                ポケモンに夢中な私には一抹の不安があります。今や世界各地でポケモンがゲットできるんだぜ!既に手元には台湾の高雄やミャンマーのラングーンて書かれたポケモンがいるんだぜ!旅先で景色も見ずにスマホ片手に歩き回る自分が想像できて恐ろしくてたまりません。嗚呼どうしよう…。

                 

                 

                 

                 

                いよいよ本題に戻ります。このブログは海外の鉄道旅行記をテーマに執筆しています。という事は連載を続ける限りはネタを拾いに海外の鉄道を乗りに行かなくてはなりません。逆にそれを理由に日本を発っているのですが、ビタ一文もらっていないのに自分でもよくやるなと思います。そうしているうちにネタのストックが怪しくなってきました。たまにはゆっくりバカンスしたいよなぁ。とも思うのですが、それはそれで後悔すると思うのです。

                 

                なので、タイ国鉄の全線走破を目指して細かくつぶしていこうと2015年8月にバンコクに向けて飛び立ちました。

                いつものように勤務を作成していくと8月上旬に連休を取れそうな気配。早速万象繰り合わせて勤務とチケットを手配。今回もチャイナエアラインの台北経由です。

                仕事を終えて一旦帰宅し、荷物をまとめて成田へ。夜のフライトなのでバンコクまでいずれも通路側の席を押さえてもらって機中へ。

                 

                 

                フライトは若干押して台北着。1時間10分の乗り継ぎが30分ほどに。急いで乗り継ぎの保安検査を済ませ、搭乗ゲートに向かう前に喫煙所にダッシュ。桃園空港の喫煙所は端にあるので大変なのだ。空港の構内を覚えてしまうほど桃園空港にはお世話になっているので、迷わず辿りつけるのがこうしたときにありがたい。そして一服したいがための乗継便の選択。時間はかかるけど一服できて安いのだもの。チャイナエアラインのおかげで僕は毎回こうして楽しく飛べているのだ。ありがとう!

                 

                搭乗のコールがかかる中、急いで一服してからゲートに向かう。ほとんどの人の搭乗は済んでおりゲートに並んでいる人はわずか。チケットを差し出すと警告音。「ワー、俺なにかしたか?」と一瞬焦るも、チケットの座席番号が「20J」から手書きで「4J」に書き換えられた。成田で押さえた席が振替になったようだが、通路側であるので問題ない。警告音に焦ったが、これだけの事だったので問題なし。快く引き受けて搭乗。

                 

                機内に入るとエコノミーは右に曲がるのが通常なのだが、左に曲がれと言われる。ハタとチケットの番号を見る。一桁なのだ。これはビジネスクラスじゃないか!

                 

                棚から牡丹餅でビジネスクラスにシートがアレンジされました。むろん機内食のサービスもビジネスクラス。初めて陶器のお皿で機内食を食べたよ!足を延ばしても前の席に当たらないし、故にシートポケットにものを入れるには立ち上がらないと手が届かない。ビジネスクラスって素敵!

                 

                 

                察するに、成田搭乗時に台北〜バンコクの座席も押さえるのだが、それは台北からの乗客のシートオーダーが始まるよりずっと前の時間になる。台北でのシートオーダーが始まったときに、家族か団体客を並べるのに支障したのだろう。こうした場合に動かせるのは単独客。ならば常連の会員客となる。こうした判断から自分が選ばれたと推測される。移席にあたってはアップグレードであれば異論は無いだろうということでビジネスクラスになる事は定石だ。もしかしたら今回の旅の運をここで使ってしまったのではないか?という不安もよぎったが、幸先の良いスタートだと考えることにして、心地よいシートで熟睡して0時半にバンコクに着いたのでした。

                 

                空港でSIMカードを購入。299バーツ。千円ちょっとで滞在期間中は賄える。SIMフリーの機材を持っているって素敵だ。エアポートレールリンクは終了している時間なので宿まではタクシー。メーターは330バーツで行ったものの、高速料金は別払いなので25、50、50バーツと料金所ごとに支払う。これに備えて少額紙幣を用意しておくと便利なのだ

                 

                 

                 

                フアランポーン駅前のホテルに到着。様々な書籍と言ってもアングラ系なのだが、バンコクで沈没していた人々の歴史に登場する老舗ホテル。怪しさはなく清潔でそこそこのお値段のホテルなので女性でも安心して泊まれるような気がするクオリティー。チープでレトロな趣きとタイらしい大雑把さを寛容に受け止めることのできる方ならおすすめ。なにより自分的には最高な立地なのだ。目の前にフアランポーン駅があるのだから。比較に値するそれは存在しないのだが、東京駅前の老舗ホテルなのだ。

                バンコク中央駅の機能をバンスー駅に移転する計画がある中、その時が来た時にこの一帯がどうなってしまうかと思うのだが、タイというお国柄ゆえにあまり心配する必要は無いのかもしれない。計画が現実になるかどうかも怪しいし、時間軸がたいそうゆっくりなのだから。

                 

                勝手知ったる駅前で飲み物などを仕入れて、早めに就寝したのでした。

                 

                 


                39号車 マレー半島縦断の旅・12 【南下開始】

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                  チェンマイに1週間ほど滞在して、いよいよ帰国の途に。 

                  チェンマイ10:15発のフライト。早めに空港に向かおうと8時に宿を発つ。この1週間を一緒に過ごしたチェンマイ逃避組の皆さんは、宵っ張りばかりなので、まだ夢の中の時間だ。
                  けれどもEさんとOさんが見送りに出てきてくれた。自分の趣味のために早い時間の飛行機に乗る男を、早起きしてまで見送って頂くなんて、なんだか申し訳ない。

                  ソンテオ(乗合トラックバス)を捕まえて空港へ。朝の渋滞を見越して早めに出たものの、すんなりと空港に着いてしまう。

                  飛行機は10:15発、タイエアアジアFD4015便。ハートヤイには12:15の到着。空港内で朝食を摂って乗り込む。滑走路を北に向かって離陸した機は、上昇しながら滞在していた宿の真上辺りで機首を180度旋回させて南に向かった。

                  で、2時間。タイエアアジアの国内線の飛行機は狭い。
                   


                  6000円ぐらいで乗れているのだから、列車で2泊の距離を2時間で行ってくれるのだから文句は無いけど、狭い。

                  ハートヤイの空港ではタラップで降機。一気に南に下りてきたので暑い。
                  さあ、ここからは駅まで何とかして行かねばならない。



                  乗り合いのワゴンタクシーがあるとガイドブックに書いてあったので、それに乗っていこう。でもその前に一服だ。カートをガラガラ引きずりながら喫煙所へ。

                  飛行機の本数が少ないようで、到着直後には大勢いた人は疎らに。

                  さて、駅に向かおうじゃないか!と乗り合いタクシーのチケットを購入。
                   


                  がしかし、ワゴンタクシーは来ない。先ほど自分の乗ってきた飛行機の到着客を乗せて全て出払ってしまい、その車達が帰ってくるまで次の便は無いとの事。のんびり一服つけているんじゃなかった!

                  飛行機は12:35にランディングしたものの、やっと空港に戻ってきたタクシーが発車したのは14:07。



                  そのタクシーは、乗り合わせた乗客を空港から近い順に降ろしていく。様々なホテルなどに立ち寄り、途中トゥクトゥクにぶつかりそうになりながら、駅前を通り過ぎて市街地に入っていく。
                  (タクシーが左方を確認せずに動き出したので、隣にいたトゥクトゥクのドライバーが怒りながらタクシーの窓ガラスを叩いて危険を知らせた直後の写真。自分の真横の窓をバシバシ叩かれたので驚きました)



                  ハートヤイのトゥクトゥクはオート三輪じゃなくて軽トラ。ダイハツのハイゼット。客席の形状はソンテオのようだ。



                  このあたりはムスリムのエリアになるから、やはり女性の服装が違う。



                  なんて思って街を眺めながら、もしやドライバーに自分の存在を忘れられてるのではないかと思い始める。駅のそばを通るも、どんどん駅から離れていっているのだ。そして案の定、他の乗客は全て下車し最後の一人に。するとドライバーはどこまで行けば良いのか尋ねてきた。

                  そうか。私の行き先を忘れちゃったのだね。そういうことなのだね。



                  無事に駅に到着したのは14:45。空港から駅まで、時間的に遠かった。

                  空港はハートヤイ(Hat Yai)駅はハジャイ(Haadyai)どちらが本当の地名なのだろう。列車の切符にはハートヤイで記入されているけれども、自分はハジャイのほうが語感がジャイジャイしているので好きです。

                       



                  列車の発車まで1時間ほどしかないので周辺の散策は諦めて、とりあえず列車が入線しているかを確認しようとホームに出る。



                  ホームの間は地下道で結ばれているけれど誰も使わない。むしろ不気味。
                   


                  ホーム間の線路横断は危険なので線路間にフェンスが張られている。
                  人々はフェンスの空いている場所の線路を渡っていた。
                   


                  ここはタイだ。そういうことなのだ。地下道はホームに列車が入っていて渡れないときに使うものなのだろうな。それでも皆さん列車の車内を通って渡るだろうけれど。

                  で、乗るべきクアラルンプール行きの列車はどこですか。

                  一番奥のホームの隅に3両編成でいらっしゃった。電源車・寝台車・座席車の3両。これに機関車がついて4両編成。客車は実質2両。

                  呪文で言うと、機・ハザ・ハネ・電源
                   


                       

                       



                  ホームに敷かれたゴザの上で子供が寝ています。
                   


                  本当にこれはクアラルンプールまで行く国際列車なのだろうか?不安がよぎる。しかし予約した寝台は存在しているし、マレーシア国鉄の車両だから間違いはない。ホームにはマレーシア国鉄の乗務員さん達が発車までのひと時をノンビリとくつろいでいらっしゃる。

                  そうこうしているうちに、シンガポールから北上してきたE&Oが入線してきました。相変わらず無駄に長いと思わせる編成。1両に2〜3部屋、食堂車が2両くらいにラウンジ車やスタッフ車両があるので長くなってしまうのですね。日本のカシオペアやトワイライトなんて及びもしない、豪華列車のピンにカテゴライズされる列車。









                  オリエントエクスプレスのアジア版。鉄道会社ではなくオリエントエクスプレスホテル社が運行するイースタン&オリエンタルエキスプレス。定期列車ではなく、ツアー列車としての運行なので運転日とコースに注意が必要です。

                  車両はニュージーランド向けに製造・輸出されたものを改修して使用、信頼の日本製。ご予約はこちらからhttp://www.orient-express.com/web/eoe/japanese-train-eastern-oriental-express.jsp

                  BSの番組でこの列車の旅を放送していて、それを見た両親が乗りたがっていました。場合によっては乗りかねないので、そのときは御相伴にあずかりたいものです。が、ドレスコードのある列車なんてちょっと嫌だ。電車バカとしては新婚旅行とかなら乗っても良いかも。

                  豪華な国際列車、E&Oとは対比的な我が列車。E&Oが食材などを積み込む為に停車している間に機関車が連結されました。



                  先ほどのホーム上で寝ていた子供のお母さんが来ていました。
                  どうやらマレーシア国鉄の乗務員であるお母さん。子連れで仕事をしているようです。



                  そんな微笑ましく、ゆるい感じの国際列車に乗って、クアラルンプールに向かう。なんだかワクワクしてきました。

                  38号車 マレー半島縦断の旅・11 【バンコク到着】

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                    目覚めると見たことがある景色。昨年9月に訪れたナコーン・パトムの駅に入っていく所でした。時刻は8時を過ぎたところ。列車は30分ほどの遅れでバンコクのファランポーン駅に向けて複線区間を快走します。

                    さあ朝飯だ!売りに来たのは




                    うわ、またこれだ!でも目玉焼きが卵焼きになってる!50バーツ。

                    ファランポーン駅に向かう列車が集まり始めたのでしょう。みんなして遅れて来るから線路が詰まってしまい、チャオプラヤー川を渡る手前からノロノロ運転に。右に大きくカーブしてパホンヨーティン駅、バーンスージャンクション駅と進み、見えてきたいつものスラム街。



                    いよいよファランポーン駅、50分遅れで10時05分に到着。




                    夕刻のチェンマイへの夜行列車の切符を購入して、早速シャワールームへ。2日ぶりの入浴です。泡立たない身体を2度洗いして泡立たせサッパリと。
                    いったいこの駅のシャワールームには今まで何回入り、そしてこれからどれくらいお世話になるのだろう。ホームの先端のトイレにもシャワールームがあるのだけれど、そちらもそのうち試そうと思いつつも、やはりここに来てしまうのだなぁ。そして荷物もいつもの預かり所に託しました。

                    今夜はチェンマイ在住(当時)のEさん(参照→http://rive-gauche.jugem.jp/)がバンコクに所用で来ているので、夕刻に合流して一緒にチェンマイに向かうことになっているのです。
                    それまで暇です。
                    かといって、バンコクの何処かに行こうという気が全く無い。日本を発つときからバンコクでどう過ごすか思案していたのですが、観光地には全く興味が無いので、バンコクの秋葉原と呼ばれる(実際にはもっとディープな場所は別にあるらしい)パンティッププラザに行くことにしました。

                    パンティッププラザは、ビルの中が電気街になっている建物でチェンマイにもあります。今回は両方を覗いてみて比較したいと思った次第です。


                    地下鉄に乗ってスクンビット駅へ。BTSに乗り換えてチットロム駅に向かいます。



                    チットロム駅からは徒歩で向かったのですが、とにかく暑い。クアラルンプールに降り立ち、シンガポールを経て、どうにかしてるだろうと言う経路でバンコクに着いたのですが、やはり冬の身体は、未だ日本の夏以上の気候に追いついていないようです。途中のスタバで小休止をとりつつ、スタバの高さに憤慨しつつパンティッププラザを目指します。

                    セーンセーブ運河を渡ると水上バスが運行していました。この橋を越えて左に折れて少し歩くとパンティッププラザに到着です。



                    中に入ると、中央が大きな吹き抜けになっており、びっしりと電気屋さんが立ち並んでいました。
                    自分が日本人と見るや早速日本語で客引きが寄ってきました。

                    「オニイサン、エロビエロビ!ポルノあるよ!」

                    日本人はここに何を買いに来ているのでしょうか?
                    いや、エロは世界共通なのだという事でしょうか。手っ取り早く稼ぐにはエロだという事なのでしょう。あいにくそれらの物は売るほど持っているので要りません。

                    パンティッププラザには、Wifi用のアンテナを探しに来たのです。我が家のアンテナが弱いので、日本国内では販売禁止となった機械についているアンテナがえらく長いので、そのアンテナだけを買えば少しは電波が飛ぶのではないかという寸法なのですが、日本で買うより高いことが判明。結局買わずに、手持ちのUMPC用の英字キーボードを買いました。

                         

                    さほど怪しいお店は無いのですが、プリンタのインク屋さんが気になりました。プリンタの詰め替え用のインクを瓶で売っていて、ここまでは日本でも見かける話。日本の上を行っているのが、プリンタの側面に瓶を直接差し込めるカスタムを施していて、インク切れ知らずのプリンタになっているのに驚きました。これは日本でやったら捕まる気がします。

                    昼食はパンティッププラザ内のクーポン食堂で。旨そうなものを指差しでチョイス。何のどの部分の肉か解かりませんでしたが旨かったです。しめて85バーツ。



                    ひと通り館内をウロウロして15時過ぎにパンティッププラザを出ることに。さて、ここからどうしたものか。屋外はキチガイのように暑い。さりとて駅には戻らなければならない。タクシーやトゥクトゥクは高いだろうしと思案。結局パンティッププラザ前に居たモーターサイ(バイクタクシー)と交渉。100バーツとの事。高いのか安いのか解からないので迷ったけれど乗る事に。

                    バンコクの街中をかっ飛ばし、車の隙間を縫って走るバイクの後ろに乗る事ほど怖いものは無いですな。というのが感想。モーターサイはラーマ1世通りの高架橋でファランポーン駅の先の線路を越えて左折し、駅に向けて走りだしました。ここでふとジュライホテル跡を見てみたくなり、バイクを止めました。「まだ駅じゃないよ」と訝しがられましたが、ジュライロータリーまで歩いて行きたいのだと告げて下車。

                    降りた場所の目の前には廃車体を利用した幼稚園らしきものが。



                    そして軌道戦車も。



                    ちょっとした鉄道博物館なのかもしれません。

                    そんな事よりジュライロータリーに向けて歩き出しました。さて、どうしてジュライホテル跡を目指したのかと言うと、下川裕治さんやクーロン黒沢さんの著作に頻繁に出てくる場所であり、現在はカオサンに移ったバンコク沈没組の本拠地、黎明期の沈没組の巣窟だった場所がどんなところなのかを見ておきたかったのです。

                         

                    こうした地方色バリバリのトラック(懐かしい、いすゞのTX系)などが居たりして、いやがおうにも期待は高まります。暑いけど。

                    で、到着した聖地。



                    建物は健在。ホテルは廃業しています。ただそれだけ。このジュライホテルに纏わるカオスを知りたい方はこちらを参照下さい。
                    http://www3.ocn.ne.jp/~epoch/asia/

                    続いて、ジュライホテル同様バンコク沈没組に愛された楽宮旅社跡へ。地玉の歩き方のマップにも掲載されているのでビックリ。洒落なのか本気なのかは解かりません。1階の北京飯店が目印なのですぐに解かります。



                         

                    楽宮旅社跡から駅はすぐそこ。汚いドブの様な運河を渡り、駅構内でマニア活動。工場では車両の塗色変更が行なわれていました。





                    裏口からそのまま構内へ。雑な線路のつなぎ方が素敵。

                         


                    日本の中古車を展望車編成に改造したようで展示していました。それよりも左手に写りこんでいるホーム上の青空理髪店に誰か挑戦して頂きたい。駅構内で毎日営業中。自由すぎて素敵。







                    構内を探検していると、今夜乗る列車が既に入線していたので撮影。荷物車と食堂車、最後尾の1等車以外はJR西日本から購入した中古車両で、一部が塗色変更をしていました。


                    そうこうしているうちに、Eさんとの待ち合わせの時間が近づいてきました。シャワーを浴びて乗車に備えての準備です。

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                    この日はSP13列車でチェンマイに向かいました。以降の旅については7号車(http://hiko4rou.jugem.jp/?eid=8)を参照下さい。

                    次回からは帰路、マレー半島の南下を開始します。


                    37号車 マレー半島縦断の旅・10 【タイ深南部】

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                      バイクタクシーに5分も乗ったでしょうか。スンガイ・コーロクの駅が見えてきました。
                      ホームにはちょうど列車が到着し、機回しを始めたところでした。時刻は12時半になろうとしています。
                      折り返しは自分が乗ろうと予定している列車になるのでしょうか。寝台車は取れるだろうか?早く切符を買わなければと気が焦ります。

                      まずは両替です。バイクタクシーのオッサンに聞くと駅前の店を教えられました。
                      タイ深南部の国境の駅前。銀行は見当たりません。商店街などのある開けた方に行けば、もしかしたらあるのかもしれませんが、ガイドブックの地図には表記されていません。暑い中探し回るのも億劫なので、教えてもらった両替屋に向かいました。

                      スモークガラスの下にお金をやり取りする小さな窓口があるだけの両替屋さん。元はガレージだった所を店に改装した雰囲気です。
                      入れ替わり立ち替わりで人々が両替にやってきます。マレーシアとの国境の町ですからリンギットからバーツへの両替がほとんどです。
                      1万円札を差し出すと、中に居たマダム2人は「レートが解からないからちょっと待って」との事。しばらくするとバイクで旦那さんが到着。レートを示され、あまり良いレートではありませんでしたが、田舎町でのこと。
                      了承しました。ついでに手元に残っていたシンガポールドルも両替出来るとの事なのでお願いして駅に向かいました。

                      切符売り場で「バンコクまで、冷房付寝台の下段で」とお願いすると、席はあったようで即座に発券されました。切符を受け取って発車時刻を確認すると、既に発車時刻は1時間ほど過ぎています。

                      「あの列車?」

                      目の前に止まっている列車を指差して切符売り場の駅員に尋ねると「そうだ」との由。自分の指定車両は目の前。冷房付の2等寝台車は1両しか連結されていません。何か違和感を感じつつも、発車時刻はとうに過ぎているので急いで乗り込みました。席に座り一息ついて、今日もシャワーを浴びられなかった…。と、汗みどろの体をボディーシートで拭いていると、違和感の理由に気づきました。

                      「あれ?自分が乗ろうとしていたのは14時台の列車だったのでは?」

                      時刻表を取り出すと、乗り込んだこの列車は1本前の11:30発の快速172列車でした。14時の特急にならば発車まで時間が作れます。

                      シャワーに入りたいので荷物をまとめて切符売り場に取って返し、「自分が乗りたいのは14時の特急なのだけれど切符を変更してくれないか?」とお願いしましたが、「満席だ」との返事。
                      絶対嘘だ。彼はただ変更が面倒臭いだけなのだ。何故なら、ここはタイなのですから…。
                       

                      でも、もしかすると本当に運休になっているのかもしれません。タイ深南部は過激派によるテロが頻発しており、日本の外務省は今いるエリアに対しては「渡航の延期をお勧めします」との勧告を出しています。



                      http://www2.anzen.mofa.go.jp/info/pcmap.asp?id=007&infocode=2011T212&filetype=1&fileno=1

                      鉄道もテロの標的になりやすいので運休も考えられます。そもそも最初に「14時の列車に乗りたい」と指定しなかった自分が悪いのです。列車がバンコクに向かう事には違いありません。特急よりも快速の方がローカルの雰囲気を楽しめるので、それも良いかなと考え直しました。

                      結構プラス思考の人間なのでシャワーが浴びれなかった事もう忘れて、列車の発車を待ちます。
                      時刻は間もなく13時になろうとしています。列車の発車時刻はとうに過ぎているのですから、準備出来次第、いつ発車してもおかしくありません。なのでスンガイ・コーロク駅は写真にも収めていませんし、構内探検もしていません。せっかく危険だと言われているエリアの最南端の駅に来たのに記録は頭の中だけです。

                      しばらくして列車は動き出しました。ここでハタと気づきました。時計を直していなかった事に…。

                      時計をタイの時刻に合わせるため1時間遅らせます。
                      12時少し過ぎ、列車は定刻より30分ほどの遅れでスンガイ・コーロク駅を発車しました。



                      動き出した列車の車内には、時折肩からライフル銃を提げた軍人さんが巡回してきます。テロ多発地帯を走る列車ゆえに、警備要員として乗っているのでしょう。
                      物々しい車内の様子とは裏腹に、列車は、ちょっとどうかと思うほどに鈍足です。鈍足にも程があると思い、どうしてこんなに鈍足なのかと考えていると、ハタと気付きました。列車は大きく左右に揺れながら進んでいます。鈍足がゆえに船のような揺れ方なので気付かなかったのですが、路盤がとっても悪い模様。よってノロノロと進まなければならなかったのですな。田園の中のぬかるんだ線路をゴム林を横目に見ながら列車は進んでいきます。
                       



                      さて、やってきた物売りの皆さんから色々購入。とりあえず飯です。



                      朝から何も食べていなかったので、ブランチです。全然ブランチって感じじゃないけど…。40バーツで購入。ボられてる気がするのは書いている今であって、腹が減っていたこの時は気付いていないのは言うまでもありません。
                       




                      列車はズンドコ進みますが、とにかく暇で仕方ありません。ここで後発組のOさんに電話。国境で免税タバコを購入出来なかったので、バンコクの空港で免税タバコを買ってきて頂けるように依頼。
                      タイに居ても携帯電話で日本と通話できるなんて素敵!でも、タイはCDMA方式とGSM方式が混在するエリアなので両方式が使える機種でないと、この便利さは享受できないのですから注意が必要です。そして、使えるからと、うっかり日本と同じようにブラウジングでもした日には後で痛い目に遭います。 【※注;2011年2月当時。現在は海外パケット定額サービスがあるので、接続先キャリアを間違えなければ接続料金が高騰する心配はありません。この後、世界中でメンテナンス可能であるという理由でiphoneに機種変更し、データ通信を格安で利用する為に、ipad miniのsimフリーモデルに現地のデータsimを挿して、iphone内のアプリが必要なときはipadからのテザリングで運用しています。】

                      電話でのタバコ購入の依頼が済むと、またしても暇です。なので、チャーンビアとつまみを購入。ウズラのゆで卵や、ゆでピーナッツなどを食べながら、全く変化の無い車窓を眺めて過ごします。







                      さて、次々にやってくる物売りの皆さん。日本の車内販売のようにどこぞの企業がやっているものではなく、沿線にお住まいの皆さんです。いずれかの駅で対向列車に乗り換えて帰ってしまいますから、その前に買い溜めておかないとお腹が空いたけれども何も無いという、2010年9月にチェンマイからバンコクに戻る際に経験した夜行列車の悲劇の再来となります。なので、何か売りに来るたびに注意して売り物を拝見していたのですが、遂に面白い物売りがやって来ました。

                      タイ国内は公共の施設の屋内は禁煙となっています。無論、列車内は禁煙。しかし、マイペンライな国柄ですから車内はダメだけれどもデッキはOKだったりします。乗務員の皆さんもデッキや荷物車で紫煙を燻らせているわけです。なので、車内にタバコ売りのオジサンがやって来ました。

                      さあ、そのタバコ売りのオジサンなのですが、食べ物売りの皆さんと同じように籠や箱にタバコを積んで売りに来れば良いものの、何故かタバコを塔のように積みあげて、両の手で上下から支えながらやって来ました。ジェンガよろしく真ん中辺りから抜いてみたい衝動に駆られます。

                      ものは試しに買ってみる事にしました。念のため愛飲しているラッキーストライクはあるかと尋ねてみましたが、やはり無いとの事。いやいや、積まれたタバコの殆どがくすんだ金色のパッケージ。インドネシアの「ガラム」系のタバコであろう事は既に解かっていたのですが聞いてみたのです。すると器用にタワーをずらして、「これを引き抜け」と出されたのが写真のタバコ。これが一番近い吸い味との事。50バーツ。もしかしたら普通に買うよりも安い気がします。

                            

                      購入したタバコですが、タイのタバコに表記されている「身体に悪いですよーう」デザインのオドロオドロしい写真がありません。一昔前のタバコままのデザイン。隣のマレーシアもタバコのパッケージはタイと同じく写真が掲載されているので、何処のタバコなのでしょうか?のちに調べても判明しませんでしたが、オジサンが持っていたラインナップからすると、インドネシア製だと推測されます。オジサンのセレクトに間違いは無く、確かに吸いやすいタバコでした。


                      そうこうしているうちにうたた寝をし、気付けばハジャイを過ぎていました。



                      なんだかモッコリした岩山が田園風景の中に突如現れた所で起きたのが18時頃。やることが無いので晩飯でも食おうかと構えるのですが、売りに来るのは昼に食べたのと同じラインナップ。よって2食連続で同じ飯で晩飯となりました。



                      さあ、いよいよ書くことも尽きました。この日は早めに寝ることにしました。

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