133号車 タイ東北線攻略の旅・8 【 列車は順調に遅れはじめる 】

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    列車は田んぼと原野の中をひたすらノンビリと走る。適度に人のいる車内はみんなが列車の揺れに眠気を誘われて気だるい雰囲気に覆われている。外は暗くなったと思うとスコールがやってくる、降ったりやんだりと雨季特有の空模様。

     

    少年が乗り込んできて自分のボックスの向かいの席に座った。大きな荷物を持っていて、どこかにお使いに行ってきた帰り道といった風情。車窓をカメラに収めていると、自慢げに携帯電話を取り出して同じように車窓の写真を撮りはじめた。人とコミュニケーションをとるのがあまり得意ではないのだろうと感じさせるその少年は、幾つかの駅を過ぎたところで席を移り、いつの間にか降りていったようだ。

     

     

     

    ナムポーン駅では女の子が大泣きをしていた。列車に乗り込んだ両親と別れるのが辛いのだろう。最後にはおばあさんに担がれていってしまった。タイの東北部、イサーン地方。タイの中でも貧しい地域といわれ、バンコクだけでなく海外にまでも出稼ぎ者を出しているといわれている。主要な産業が無いだけで緑豊かな地域なのだけれど、かつての日本がそうであったように物質文明が進んだが故の反動なのだろう。物流が大きく変われば解消されていくのであろうけれども、それがいつになるのかは誰にもわからない。

     

     

     

    タイ国鉄の無人駅は時刻表では割愛されている。地元の利用客だけが列車の時刻を知っていればよいという事なのだろう。とある無人駅は田んぼに囲まれ、いったいこの駅にはどうやってたどり着けばよいのだろうと考えてしまう。

     

     

     

    空港もある大きな街、コーンケンに到着。構内にはタンク車が並び貨物輸送の基地であることがわかる。タイ国内の主要駅には燃油基地が見受けられる。列車は時刻通りに発車。ここまで2時間半。やっと1/3を超えたところである。

     

     

     

    次のタープラ駅では交換列車を待つ。やってきたのはタンク車を連ねた貨物列車。コーンケンに向かうのか、はたまたその先を目指すのか。左側に乗っている助士がここまでのタブレットをキャッチャーに投げ落とし通過して行く。

     

     

     

     

    余談ではあるが、タイ国鉄の車両は右側に運転台がある。従って左側が助士になる。タブレットも左側での受け渡しとなる。かつて日本からキハ58がタイに譲渡されているのだが短命に終わってしまった。その理由がタブレットキャッチの問題だったという。日本の車両は運転台が左側にあるため支障があったとの話だ。キハ58ならば運転台の後方に乗務員室のドアがある。そのドアの落とし窓を開けて助士がキャッチすれば済む話なのだが、タイの皆さんの気質から察するに「面倒だった」のだろう。そうして廃車となったキハ58を目にする事が出来たのは今年の2月、ずーっと南のカンタン駅構内である。それはまたいずれお伝えします。

     

    さあこれで発車と思っていたら、対向線路のホルダーに新たなタブレットがセットされた。続行で列車がやってくるのだろう。発車はまだ先だ。

     

    やってきたのはバンコクからの普通列車。コーンケンですれ違うはずの列車なので30分ほど遅れているようだ

     

     

     

     

     

    タープラ駅では25分ほど停車して発車。列車は順調に遅れはじめた。

     

     


    132号車 タイ東北線攻略の旅・7 【 場内開通促進汽笛 】

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      この記事がアップされる頃には那覇にいます。「サニーゴ」という沖縄以南にしか居ないポケモンを捕まえに行くのです。先月も台湾に行ったのですが、暇がなくて6匹しかゲットできなかったので補完しに行くのです。貯まったマイルを使って行くので飛行機代はタダです。10年ぶりくらいに国内線に乗るので勝手がわかりませんが、iphone片手にチケットレスで行ってきます。

       

       

       

      待つこと2時間。これから乗る列車がホームに滑り込んできた。ナコン・ラーチャーシマから6時間かけてやってきた列車だ。

       

       

       

      折り返して再びナコン・ラーチャーシマに向かう。即ち自分はこれから6時間列車に揺られることになるのだ。お尻が嫌になる旅の始まりである。

       

      日本で引き出したタイ国鉄のウェブ版の時刻表には、これから乗る列車は掲載されていなかった。タイ国鉄のウェブ版の時刻表はそもそもあまり当てにならないので、バンコクに着いてからフアランポーン駅で手に入れた時刻表で存在を確認した。それでも現地に来てみると実際の時刻は微妙に異なっていたのだけれども。

       

       

       

       

      定刻でノンカーイ駅を発車した418列車はひたすら原野と田んぼの中を走るだけ。駅が近づくと町になって、駅を出れば再び緑の景色。山もないような平野をひたすら走る。

       

       

      そうして眺めるものもない単調な景色のなか、ぼんやりと列車に揺られているとあることに気が付いた。

      列車はやたらと警笛を鳴らすのだ。

      これまでの経験からタイ国鉄に乗っていて警笛が鳴らされるのは踏切に近づいた時。警手を置かない踏切は警報機だけで遮断機が無い。なので皆さん平気で渡るので列車はパンパン警笛を鳴らしながら踏切に近づいていく。警笛だけでなくブレーキがかかったら、それはもういよいよの事態なので窓から身を乗り出して前方を見るとまだ踏切内に自動車がいたりする。

       

      しかし、ここは原野の中。踏切もあまりない。身を乗り出してみても何もない。警笛を鳴らすのは何故なのか。

      そうこうするうちにあることに気づいた。列車は停車駅に近づくと警笛を鳴らすようになるのだ。そうしてある駅の手前で列車は停止した。急制動ではないので緊急事態ではない。前方を見ると場内信号機が停止現示だった。わかりやすく言うと駅の入り口が赤信号。単線でタブレット閉塞、腕木式信号機が現役のこの路線。駅の信号係が手動でハンドルを倒すと構内に張り巡らされたワイヤーが引かれてポイントや信号機が変わる。

      頻繁に鳴らされる警笛は駅員に列車の接近を知らせるためだったと思われる。

       

      列車が駅を出ると次駅に連絡が入る。受けた次駅は到着時刻を予測して待ち構えているはずなのだが、場内信号機は停止現示。保安装置が無いため上下列車の同時進入は出来ないという規則はあるが、対向列車の気配すらない。たぶん駅員さんたちはみんなノンビリしてるのである。

       

      なんせ列車が1本行ってしまえば次はしばらく来ない。必然的に時間はたくさんある。そうするとどういうことが起きるのかというと、駅構内は綺麗に掃き清められ、花壇や箱庭やベンチが整備され、あちこち塗りなおされたペンキでピカピカしている。ペンキは塗り重ねられ厚みを感じるほどだ。

       

       

       

       

      列車はタイ東北部の平野をノンビリと走るのでした。

       


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      齋藤彦四郎
      隔週木曜更新。
      電車で喰えているので、電車マニアではありますん。

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